GPS

KMZ→ITM ファイル変換サイトが CSV にも対応

GPS 軌跡データを ITM 形式(GPS Photo Tagger/ezTour 形式)で出力するウェブサイトの機能を拡張。V-990 の CSV も読み込めるようになった。

CANMORE ELECTRONICS(佳茂電子)製 GPS ロガー「GT-730FL-S」、HOLUX 製 GPS ロガー「M-241」、Victory Technology(COLUMBUS)製 GPS ロガー「V-990」などをお持ちの方は、軌跡データの整理やダイエットなどにどうぞ。


ITM 形式(GPS Photo Tagger 他)のフォーマット仕様解析

【目次】

【はじめに】

KMZ 形式(Google Earth 形式)で保存されている GPS 軌跡データを、ITM 形式(GPS Photo Tagger 他の形式)に変換するツール、kmz2itm を作成する過程で、ITM 形式について調査を行ったので、その内容を整理してまとめておく。

※内容は不完全で、不明な点も多いので、間違いや補足ございましたら、メールやコメント等でご連絡いただけると幸いです。

【ITM 形式を用いているアプリケーション】

ITM 形式はいくつかのアプリケーションで使われている。どのアプリケーションも画面が似ており、iTravel-Tech 社の OEM と思われる。現時点で、ITM 形式を使っていることが確認できているアプリケーションは以下。アプリケーションが対応している GPS 機器も併記しておく。
  • GPSPhotoTaggerGPS Photo Tagger
    • CanMore Electronics……GT-730FL-S、GP-101
    • Transystem……747Pro、747ProS、PhotoMate887、860E、TripMate850、TripMate852

  • ezTourezTour
    • Holux……M-241

  • ATLASTOURATLASTOUR
    • ユピテル……ASG-CM11、ASG-1、ASG-2、AL20

ITM 形式の調査は、GPS Photo Tagger(Ver 1.2.4)で取り込んだ GT-730FS-S の軌跡において行っている。GPS Photo Tagger で保存した ITM ファイルを、他のアプリケーションからも読み込めたので、基本的には同じフォーマットと思われるが、一部のデータが異なる可能性はある。

【ITM 形式の概要】

ITM 形式は、ファイル形式としては ZIP 形式である。拡張子を .zip に変更して解凍すると、以下の内容が得られる。
  • attachfile(フォルダ)
  • icon(フォルダ)
  • imagegrid(フォルダ)
  • ituser.itx
  • ituser.poi
このうち、軌跡データが保存されているのは ituser.poi である。

【ituser.poi の概要】

ituser.poi は SQLite3 のデータベースファイルである。PupSQLiteSQLite Database Browser などの SQLite ツールで内容を確認することができる。

ituser.poi には以下のテーブル(全 20 個)が含まれている。
  • IT_TGVLib……目次のようなテーブル。他のテーブルに格納されているデータの情報が格納されている。
  • GPSLog……測定点データ。測定時刻と、速度を保持している。
  • WP……測定点データ。緯度・経度・高度を保持すると共に、測定点を軌跡として繋げるための情報も保持している。
  • Line……軌跡データ。軌跡名、開始地点、終了地点を保持している。
  • VStyle……軌跡線のスタイル情報。線の太さ、色など。
  • VSTag……軌跡線に関するデータと思われるが、詳細不明。
  • CP……詳細不明。
  • FileD……詳細不明。
  • FTag……詳細不明。
  • Map……詳細不明。
  • NTag……詳細不明。
  • POI……詳細不明。
  • PropDouble……詳細不明。
  • PropInt……詳細不明。
  • PropText……詳細不明。
  • TagD……詳細不明。
  • TypeD……詳細不明。
  • Val……詳細不明。
  • ValD……詳細不明。
  • VP……詳細不明。

【IT_TGVLib】

IT_TGVLibIT_TGVLib は、他のテーブルに格納されているデータについての情報を保持している。目次のようなテーブル。

全部で 20 行のデータがあり、各行が 1 つずつテーブルに対応している。

列は以下。
  • fUserType……連番。
  • fDBType……不明。
  • fObjNo……テーブルに格納されているレコードの数(行数)。
  • fObjFreeNo……テーブルに格納されているレコードのうち、削除フラグが付いているレコードの数。GPS Photo Tagger は、基本的にデータを削除せず、代わりに、削除フラグを付けて削除したことにしている。例えば、右の画面の 11 行目では、fObjNo が 10777、fObjFreeNo が 10400 なので、WP テーブルの有効レコード数は差し引き 377 ということになる。
  • fTypeName……対象となるテーブル名。

【GPSLog】

測定点 1 つ 1 つに関する情報を保持するテーブルその 1。各測定点の測定時刻と、測定時の速度を保持している。
  • fID……連番。
  • fZero……有効なレコードの場合は 0、無効なレコードの場合は 1。GPS Photo Tagger では、データを削除する際、レコードを削除するのではなく、fZero に 1 を立てて削除したことにしている。
  • fGPSTime1、fGPSTime2……測定時の時刻。具体的なフォーマットは不明。
  • fGPSSpeed……測定時の速度 [km/h]。
  • fGSensorX、fGSensorY、fGSensorZ……名前からして加速度センサーの値を保持するためのフィールドと思われるが、GT-730FL-S による測定においてはすべて 0 となっている。

【WP】

測定点 1 つ 1 つに関する情報を保持するテーブルその 2。緯度・経度・高度を保持すると共に、測定点を軌跡として繋げるための情報も保持している。テーブル名は Way Point(軌跡)の略と思われる。
  • fID、fZero は GPSLog と同様。
  • fParentID……軌跡線番号(Line テーブルの fID)。fParentID が同じ軌跡同士で、1 つの軌跡線を形成している。
  • fNextID……軌跡上で次の測定点が何番の fID かを示す。通常は fID+1。軌跡上、最後の点の場合は、fNextID が 0 となる。
  • fGPSLogID……対応する GPSLog テーブルのデータを示す。通常は fID と等しい。
  • fMapID……マップ番号(Map テーブルの fID)。通常は 1。
  • fPosX、fPosY……不明。通常 -1。
  • fLongitude、fLatitude、fAltitude……経度、緯度、高度。
  • fOrder……不明。通常 0。
  • fTemprature……名前からして温度と思われるが、GT-730FL-S による測定においてはすべて 0 となっている。
  • fMBar、fBPM、fRPM……不明。通常 0。


【Line】

軌跡線データ。軌跡名、開始地点、終了地点を保持している。

  • fID、fZero、fMapID はこれまでと同様。
  • fName……GPS Photo Tagger で表示される軌跡名。
  • fTypeID……不明。通常 2。
  • fIsGroup、fParentID、fVIID、fStartID、fEndID……不明。通常 0。
  • f1stWPID……軌跡の開始点を示す。WP テーブルの fID。
  • fLstWPID……軌跡の終了点を示す。WP テーブルの fID。


【VStyle】

軌跡線のスタイル情報。線の太さ、色などを保持している。

  • fID、fZero はこれまでと同様。
  • fName……スタイルの名前と思われるが、どこにも表示されない模様。
  • fVSDefineType……不明。通常 11。
  • fVSStyleType、fVSPattern……不明。通常 0。
  • fVSWidth……線の太さ。
  • fVSHeight……不明。通常 0。
  • fVSFColor、fVSBColor、fVSOColor……線の色を指定していると思われるが、具体的なフォーマットは不明。
  • fVSFontSize……不明。通常 0。
  • fVSFontName、fVSPatternName、fVSIconName……不明。通常 NULL。


【VSTag】

軌跡線に関するデータと思われる。

  • fID、fZero はこれまでと同様。
  • fStartType……不明。通常 11。
  • fStartID……不明。通常 fID と等しい。
  • fEndType……不明。通常 18。
  • fEndID……不明。通常 fID と等しい。


【PropInt】

存在意義が不明だが、軌跡線の測定開始時刻を保持しているようだ。

2 レコードが 1 セットとなっており(従って、レコード数は軌跡線の数×2 となる)、1 レコード目が GPSLog の fGPSTime1、2 レコード目が GPSLog の fGPSTime2 を保持している。
  • fID、fZero はこれまでと同様。
  • fName……1 レコード目が 't1'、2 レコード目が 't2'。
  • fObjType……不明。通常 11。
  • fObjID……Line テーブルの fID。1 レコード目の fObjID と 2 レコード目の fObjID は等しい。
  • fUserFlag……不明。通常 0。
  • fValue……1 レコード目が fGPSTime1、2 レコード目が fGPSTime2。

【軌跡線取得方法】

軌跡線を取得するには、以下の流れでデータを検索するとよい。
  • Line テーブルのレコードのうち、fZero が 0 のレコードを取得
  • そのレコードの f1stWPID を取得
  • WP テーブルのレコードのうち、fID が f1stWPID と等しいレコードを取得→軌跡開始点
  • そのレコードの fGPSLogID を取得
  • GPSLog テーブルのレコードのうち、fID が fGPSLogID と等しいレコードを取得→軌跡開始点の追加情報
  • WP テーブルのレコードから fNextID を取得
  • WP テーブルのレコードのうち、fID が fNextID と等しいレコードを取得→次の測定点
  • このように、次の測定点を次々とたどっていく
  • fNextID が 0 になったら軌跡終了

≪GPS 関連の記事一覧≫








KMZ→ITM ファイル変換サイトを公開

KMZ 形式(Google Earth 形式)で保存されている GPS 軌跡データを、ITM 形式(GPS Photo Tagger/ezTour 形式)に変換するウェブサイトを公開。

GPS Photo Tagger は、GPS 軌跡データを KMZ にエクスポートできるが、逆に、KMZ からのインポートができないので、作成した。

単純な変換以外にも、複数ファイルの結合(ITM+ITM→ITM も可能)や、ITM ファイルの最適化(ファイルサイズ縮小)も行える。

GPS ロガー「V-990」の使い方まとめ

GPS ロガーのなかでも、ボイスメモなど珍しい機能を搭載している機種「V-990」(Victory Technology の COLUMBUS ブランド)を購入したので、使い方をまとめておく。

GPS ロガーとは、その名の通り、GPS で測定した現在位置を刻々と記録するアイテム。記録した位置データをパソコンに転送し、地図上にプロットしたり、写真と結びつけたり、という使い方が一般的。

V-990 は比較的新しい機種で、高性能の GPS チップ MTK II(66 チャンネル)を採用し、22 時間以上の稼働が可能とハイスペック。さらに、ボイスメモ(音声録音)、超長時間稼働モード(スパイトラッキングモード)など独自の機能を備えている。

まだ買ったばかりなので、すべての機能は使っていないが、そこは追々。


目次


現在位置測定
  1. 購入したらまず、充電する。
    • 付属の USB ケーブルで PC と V-990 をつなぐと、V-990 の左上が赤く光って充電される。
    • 3.5 時間程度で満充電になるとのこと。
    • 購入直後でもある程度充電されているようだが、自分でも充電した方が確実。
  2. microSD カードを V-990 に差し込む。
    • V-990 には内蔵メモリは無く、GPS データはすべて microSD カードに記録するため、microSD カードが必須。
    • 4GB までの microSD に対応している。
    • FAT でフォーマットされている必要がある(FAT32 や NTFS は NG)。
  3. V-990_LEDV-990 の電源を入れると、測定開始。
    • 本体上部の小さなボタンが電源ボタンで、これを長押しする。
    • カメラみたいなマークの LED(GPS の状態表示 LED)が緑に常時点灯している状態では、GPS 衛星を捕捉していない。
    • GPS 衛星を捕捉すると、ピピッという音とともに、GPS LED が 1 秒ごとに点滅するようになる(GPS 捕捉までは通常 35 秒程度を要する)。
    • microSD を正常に認識していると、ペンマークの LED(microSD の状態表示 LED)が橙色に常時点灯する。GPS 衛星捕捉後は、データ記録の際、たまに点滅する。microSD を入れ忘れた場合、microSD LED は、電源投入直後にしばらく点滅した後、消えてしまう。
    • GPS データの記録は 1 秒ごと(変更不可)。
  4. 電源を切れば測定終了。
    • 再度、電源ボタンを長押しする。

ソフトのインストール
  1. Java ランタイム(JRE)をインストールする。
    • JRE は、次の Time Album を動かすために必要。
    • 付属 CD の
      X:\Utility\Time Album\Step1. Install The JAVA Virtual Machine\For Windows
      にある jre-7u5-windows-i586.exe をダブルクリックする(32 ビット版 Windows の場合)。
    • Oracle のホームページから最新の JRE をダウンロード&インストールしても良い。
  2. Time Album をインストールする。
    • Time Album は、V-990 本体の設定を変更したり、microSD に記録されているデータ(CSV 形式)を各種フォーマット(Google Earth の kmz など)に変換したりするためのソフト。
    • 付属 CD の
      X:\Utility\Time Album\Step2. Run The TimeAlbum\For Windows
      にある TimeAlbum_V1.9.1_ENG.exe(Windows の場合)をハードディスクにコピーするだけで良い(コピーせず CD から直接起動することも可能)。
  3. Google Earth をインストールする。
    • 付属 CD の
      X:\Utility\Google Earth\For PC
      にある GoogleEarthSetup.exe をダブルクリックする(Windows の場合)。
    • Google のホームページから最新の Google Earth をダウンロード&インストールしても良い。

データの PC への取り込み・閲覧
  1. V-990 の電源を切り、microSD を V-990 から取り出して、PC のカードリーダーに差し込む。
  2. Time Album を起動する。
  3. TimeAlbumのTimeZoneTime Album 初回起動時は、Time Album の「Time Zone」ボタンをクリックし、タイムゾーンを GMT+09(日本の時刻)に設定する。
  4. TimeAlbumでCSVを読み込んだ状態GPS データ(CSV 形式)を読み込む。
    • Time Album の「Import」ボタンをクリックし、microSD の中にある CSV ファイルを指定する。
    • または、エクスプローラーから、microSD の中にある CSV ファイルを、Time Album のウィンドウへドラッグ&ドロップする。
    • CSV ファイルは GPS 測定した日付で名前付けされており、[年][月][日][連番(00 から始まる)].CSV というファイル名になる。例えば、2012 年 10 月 07 日の 1 回目の測定であれば、12100700.CSV となる。
  5. TimeAlbumのExport形式選択Google Earth 形式に変換する
    • Time Album の「Export」ボタンをクリックする。
    • 「KMZ」ボタンをクリックする。
    • ファイル名を入力して KMZ 形式(Google Earth 形式)で保存する。
    • 私の環境だと、ファイル名に日本語を入れるとうまく動かなかった。半角英数のみのファイル名にしている。
  6. V990高尾山軌跡Google Earth でデータを閲覧する。
    • 保存した KMZ ファイルをダブルクリックすると、Google Earth が起動し、V-990 で測定した軌跡が表示される。
  7. microSD を V-990 に戻し忘れないように注意。

V-990 の設定変更

V-990 の設定変更は、microSD に設定ファイルを書き込むことによって行う。
  1. V-990 の電源を切り、microSD を V-990 から取り出して、PC のカードリーダーに差し込む。
  2. Time Album を起動する。
  3. TimeAlbumのDeviceSettings「Device Settings」ボタンをクリックすると、設定画面が表示される。
    • Tracking modes……GPS データ記録時に保存する項目。通常は Standard mode で良い。より多くの項目を保存したい場合は Professional mode にする。
    • Over-speed tag……一定以上のスピードで移動した場合に警告音を出したい場合(高速道路でのスピード出し過ぎなど)は、ここにチェックを入れ、しきい値を入力する。km/h ではなく mil/h(時速○○マイル)であることに注意。
    • Spy mode timer……スパイトラッキングモード(超長時間稼働モード)での測定間隔を指定する(分単位)。10-100 と書いてあるので 10 分以上でないと設定できなそうだが、実際には、1 分以上で指定可能。
    • 設定を終えたら「OK」ボタンをクリックする。

  4. 設定ファイルを保存する。
    • 設定画面で「OK」ボタンをクリックする。
    • TimeAlbumの設定ファイル保存警告注意書きのダイアログが表示されるので「OK」ボタンをクリックする。
    • 設定ファイルの保存先を選ぶダイアログで、microSD カードのドライブを指定する。
    • TimeAlbumのSuccessメッセージが表示されるので「OK」ボタンをクリックする。
    • TimeAlbumのCONFIGtxtmicroSD に「CONFIG.txt」というファイル名で設定が保存される。
    • 通常モードの測定データの記録間隔(1 秒固定)や、動作音の On/Off は設定できない。
  5. microSD を V-990 に戻すと、次回測定時から、設定が反映される。

その他

microSD を V-990 本体から出し入れする際は、必ず電源を切ろう。電源を入れたまま出し入れすると、最悪壊れる可能性があるとのこと。

せっかく USB で PC と繋げられるのなら、USB マスストレージで microSD の中身を読み出せれば良いのに、と思うのだが、そうはなっていない。いちいち microSD を本体から出し入れするのは面倒くさい。

他に、V-990 の難点は、ストラップを通しづらいこと。普通、ストラップ穴は緩やかにカーブしていて、ストラップを押し込めば反対側の穴から出てくるが、V-990 はストラップ穴がカーブしていない。どころか、逆段差があってピンセット等でつまんで引っ張り出さないと無理。

逆に、利点としては、格安 GPS ロガーの GT-730FL-S よりも電波感度が高い(電波を拾いやすい)。まだあまり使っていないが、この違いは分かりやすい。




≪GPS 軌跡(実際の動作結果)の記事≫
※その他の記事については、一覧を参照。

V-990外観≪V-990 の主な仕様≫
  • サイズ:74(縦)×43(横)×9.9(高さ) [mm]
    (QUO カードより 1 周り小さい)
  • 重量:55g
  • 稼働時間
    • 通常モード:公称 22~24 時間
    • スパイトラッキングモード:公称 15~30 日
  • 記録間隔
    • 通常モード:1 秒(固定)
    • スパイトラッキングモード:1~100 分
  • 記録可能データ数:4GB microSD の場合 5,000 万件
    (1 秒に 1 回の記録で約 580 日分)
  • GPS チップ:MTK II(66 チャンネル)
※写真について:ストラップは付属品とは異なる。USB メモリと QUO カードは大きさ比較用。

≪更新履歴≫
  • 2012/10/09 主な仕様を記述。



GPS ロガー購入検討比較

今使っている GT-730FL-S よりも精度の高い GPS ロガーが欲しいなぁ、ということで、どんな製品があるか調べてみた。

【 Transystem 860E 】
  • 500 円玉 2 枚分くらい(?)の超小型 GPS ロガー。
  • 振動センサー付きで、静止時はスリープモードに移行。
  • 11 時間稼働、125,000 点記録。
  • データ吸い出しは GPS Photo Tagger。
  • チップセットは MTK II(MT3329)、66 チャンネル
使用レポートはこことかこことかにあるが、精度についてはよく分からない。


【 WBT-202 】
  • Bluetooth 付き。
  • 23 時間稼働、260,000 点記録(内蔵メモリ)、134,000,000 点記録(MicroSD 2GB)。
  • データ吸い出しは WBT Tool。
  • チップセットは u-blox 5、32 チャンネル。

使用レポートはこことかこことか。都会で精度が高いらしい。



【 V-990 】

  • 振動センサー付き、録音機能付き。
  • 22~24 時間稼働(トラッキングモード)、50,000,000 点記録(MicroSD 4GB)。
  • データ吸い出しは Time Album。
  • チップセットは MTK II (MT3329)、66 チャンネル

使用レポートはこことか。精度についてはよくわからない。



【 M-241 】

  • 乾電池式。
  • 12 時間稼働、130,000 点記録。
  • データ吸い出しは ezTour。
  • チップセットは MTK、32 チャンネル。

使用レポートはこことか。





GPS ロガーと Portmon for Windows

GPS ロガー(GT-730FL-S)のデータを自力で取ってこれたら面白いかも、と思ったのだが、どういうコマンドを出せば良いのかが分からない。

GT-730FL-S のデータシート PDF を見ると、「See Binary Message Protocol User’s Guide for detailed descriptions」と書いてあって、それを見ればプロトコルが分かりそうなのだが、User's Guide を見つけることができなかった。

仕方がないのでデータの流れをモニターしてみようかと思ったら、ツールを動かすまでにすでに一苦労。最終的には動いたが……。

COM ポート(シリアルポート)に流れるデータをモニター(キャプチャー/スニファ/スパイ)する Portmon for Windows というツールを Microsoft が配布している(フリーのツール)。

Portmon_AfterLaunch現時点での Portmon のバージョンは 3.03。起動すると、管理者権限を要求された後にウィンドウが開く。

Microsoft のサイトには、「実行すると、すぐに Portmon でデバッグの出力のキャプチャが開始されます」と書いてあるが、起動しても、タイトルバーに「Not Connected」と表示されてキャプチャされる気配が無い。「Capture Events」メニューもグレーアウトされているし、ポートも選択できない。

Windows 7/64 bit に対応していないのかもしれない(少なくとも旧バージョンは対応していない)と思って、VMWare の Windows XP で動かしてみたけど、結果は同じ。

他のサイトの説明だと、まず「Computer」メニューでローカルマシンに接続する必要があると書いてあるのだが、そもそも Computer メニューが無い。バージョンアップして無くなったのだろう。しかししそれでは、一体どうやってローカルマシンに接続するのか……。

というわけで、Ver 3.03 の使い方をご存じの方は教えて下さい……。

Ver 3.03 は諦め、ここに置いてあった Ver 3.02 を動かしてみた。

今度はちゃんと「Computer」メニューがあるが、Windows 7/64bit だと、「Connect Local」しようとすると「Error 6」と表示されて接続できない。

そこで、VMWare の Windows XP 上で Portmon を使うことにする。

  1. VMWare の仮想マシンメニューの取り外し可能デバイスで、「Prolific usb-serial controller d」を接続する→仮想マシンで USB ブリッジ COM ポートが使えるようになる
  2. デバイスマネージャーで USB ブリッジ COM ポート(Prolific USB-to-Serial Comm Port)の通信速度を 38400 にする
  3. Portmon 3.02 を起動する。
  4. [Capture→Ports→(Prolific ポート)]で USB ブリッジ COM ポートのチェックを入れてキャプチャ対象にする
  5. [Capture→Capture Events]でキャプチャを開始する
  6. GT-730FL-S の電源を入れて、物理マシンの USB ポートに挿す
  7. GPS Photo Tagger で GT-730FL-S にアクセスすると、Portmon に通信内容が溜まっていく
Portmon_XPようやく準備ができた……。

ちなみに、XP には PL-2303 ドライバは入れなくても大丈夫なのではないかと思う(試行錯誤の中で入れてしまったが)。



格安 GPS ロガー「GT-730FL-S」の使い方まとめ

GPS ロガー(GPS USB ドングル)の中でも格安な機種「GT-730FL-S」(CANMORE ELECTRONICS:佳茂電子)を購入したので、備忘録としてまとめておく。

GPS ロガーとは、その名の通り、GPS で測定した現在位置を刻々と記録するアイテム。100 円ライターを一回り大きくした形状をしている。記録した位置データをパソコンに転送し、地図上にプロットして活用する、というスタイルが一般的。

中心価格帯は 1 万円前後で、人気の M-241 もここに位置している。そんななか、GT-730FL-S はなんと、実売 3,400 円で購入可能という、異例の低価格を実現している。

まだ買ったばかりなので、使用感はまた後ほどということにして、今回は使い方だけ。

現在位置測定

いたってシンプルな操作で、現在位置を測定できる。
  1. 購入したらまず、充電する。
    • PC の USB ポートに挿すだけで良い。緑色の LED が点灯する。
    • 4 時間程度で満充電になるとのこと。
  2. PC から抜いて電源を入れれば、測定開始。
    • 本体横のスライド式スイッチが電源。
    • 青い LED が常時点灯の状態では GPS 衛星を捕捉していない。
    • GPS 衛星を捕捉すると、青い LED が 1 秒ごとに点滅するようになる(GPS 捕捉までは通常 40 秒程度を要する)。
    • 初期設定では 5 秒ごとに現在位置を記録する(記録間隔は変更可能、LED の点滅間隔とは関係は無い)。
    • 電池は 10 時間程度持つらしい。
    • ストラップ側(USB と反対側)にアンテナがある可能性が高いとのことなので、ストラップ側を上にすると感度が上がる可能性がある。
  3. 電源を切れば測定終了。

データの PC への取り込み

PC の初期設定はやや面倒。
  1. ドライバーのインストール。
    • Prolific のサイトから PL-2303 のドライバーをダウンロードする。PL2303_Prolific_DriverInstaller_vXXXX.zip というファイル名になっている。
    • というのも、GT-730FL-S は USB 接続のように見えるが実は、内部では COM ポート扱いとなっている。PL-2303 は USB ←→ COM のブリッジチップ。
    • ダウンロードしたファイルを解凍し、「管理者として実行」し、指示に従って進めていけばインストール完了。
      PL-2303_Installer

  2. GPS Photo Tagger(データ連携&本体設定ツール)のインストール。
    • GPSDGPS のサイトから、GPS Photo Tagger の最新版をダウンロードする。GT-730FL-S 用 Ver 1.2.4。ファイル名は PhotoTagger_38400(I-travel).zip。付属 CD に入っている旧バージョンは、Google Map が表示されないので、最新版を使うのが良い。
    • ダウンロードしたファイルを解凍し、gpsPhotoTagger_install_canmore.exe を起動する。これは普通に起動すれば、管理者権限を要求してくる。
    • インストールコンポーネント選択画面で、GPS Data Log Device Driver のチェックを外す(と良いと思う。自分はインストールしてしまって、後から PL-2303 を再インストールする羽目になった。ここのドライバーよりも、先ほどダウンロードしたものの方が新しいということのようだ)。
      GPSPhotoTagger_Installer
  3. 通信速度の設定。
    • 管理者権限で Windows にログオンする。
    • GT-730FL-S の「電源を入れて」PC に挿す。
    • [コントロールパネル|ハードウェアとサウンド|デバイスマネージャー](Windows 7 の場合)を開く。
    • 「ポート(COM と LPT)」の配下に「Prolific~」があるのでダブルクリックして開く。
      DeviceManager

    • 「ポートの設定」タブで、「ビット/秒」を「38400」に変更する。
      Com3Prop
  4. PC へのデータ取り込み。
    • GT-730FL-S の「電源を入れて」PC に挿す。
    • GPS Photo Tagger を起動する。
    • メニューの[ファイル|ログの読み込み]を最初に実行した際に、プロダクトキーの入力を求められる。付属 CD の封筒の裏にあるプロダクトキーを入力する。
    • メニューの[ファイル|ログの読み込み]で取り込みたい軌跡データを選ぶと、GT-730FL-S のデータが取り込まれ、Google Map 上に GPS の軌跡が描かれる。
      GPSPhotoTagger
    • メニューの[ファイル|名前を付けて保存]で、軌跡データを PC 内に保存する。
    • メニューの[ファイル|ログの消去]で、GT-730FL-S 内のデータがクリアされる。全てのデータが消えてしまうので注意。

GT-730FL-S の設定変更

GT-730FL-S の設定変更も GPS Photo Tagger で行う。
  1. メニューの[ファイル|本体の設定]で設定画面を開く。
    GPSPhotoTagger_Prefs
  2. 接続設定はたぶんいじる必要無し。
    • 万が一、ログの読み込みがうまくいかない場合は(電源が入っていることを確認)、ここをマニュアル設定にして COM ポート番号を指定すると良いかもしれない。
    • COM ポート番号は、デバイスマネージャーの「Prolific~」の末尾の COMx の x のところの番号。
  3. ログ記録設定で、ログ記録の間隔などを設定できる。
  4. 「OK」をクリックすれば、変更した設定が GT-730FL-S に書き込まれる。

その他

今回、GT-730FL-S は輝け!GPS という GPS 専門店で購入した。GPS 専門店があるってこと自体がすごいよな。さすが秋葉原。

GT-730FL-S は安いだけあって、精度は今ひとつの模様。人気の M-241 の方が精度ははるかに高いとのこと。特に、遮蔽物が多い街中などでは、GT-730FL-S の精度が落ちるようだ。まぁ今回は初回なので、安いやつでいいかなと。

GPS ロガーは、WiMAX の電波測定の際に位置を確認するのにも使えるというのもあるが、旅行で活躍してくれるのではと思って買ってみた。旅行してると、あれ、これどこで写真撮ったかな、っていうのが結構ある。ふとした景色撮った時とかね。

海外でも機能的には使えるが、法律で使用禁止の国もあるようなので(中国とか中国とか中国とか)、事前確認が必要だ。

GT-730FL-S は、販売店によっては F-GFL100 という型番になっている模様。外箱や商品の写真を見る限り、GT-730FL-S と F-GFL100 は同じに見えるけど、なんで型番が違うんだろ?

GT-730FL-S(F-GFL100)も人気の M-241 も、Amazon で買える。



≪GPS 軌跡(実際の動作結果)の記事≫
※その他の記事については、一覧を参照。

GT-730FL-SGT-730FL-S の主な仕様
  • サイズ:77.48(縦)×28(横)×17.77(高さ) [mm]
    (USB メモリより 1 周り大きい)
  • 重量:31g 程度
  • 稼働時間:公称 18 時間、実測 10 時間程度
    (充電しながらの稼働が可能)
  • 記録間隔:1 秒~
  • 記録可能データ数:265,000 点
    (1 秒間隔で記録した場合 74 時間弱)
  • GPS チップ:Skytraq Venus 6(65 チャンネル)

※写真について:ストラップは付属品とは異なる。手前の USB メモリは大きさ比較用。


≪GT-730FL-S 関連の有用なサイト≫


≪更新履歴≫

  • 2012/09/08:Prolific のサイト変更に伴い、PL-2303 ドライバーのダウンロード先を、http://www.prolific.com.tw/eng/downloads.asp?ID=31 から http://www.prolific.com.tw/US/ShowProduct.aspx?p_id=225&pcid=41 に変更。
  • 2012/09/08:GPS Photo Tagger バージョンアップに伴い、インストーラーの保存場所を、付属 CD-ROM(G:\GPS Photo Tracker software\gpsPhotoTagger_english_v1.exe)から GPSDGPS のウェブサイトに変更
  • 2012/09/29:主な仕様を記述。
※2019 年補足:筆者は既に GT-730FL-S を使っておりませんので、コメントで質問を頂いてもお答えできません。
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