ヘッドセット

ロジクール H800:Bluetooth と USB 接続の違い

Logicool のワイヤレスヘッドセット H800 は、Bluetooth と独自 USB の 2 種類の方法で PC(や他の機器)と接続できる。接続方法によって使用感に違いが出るのか、確認してみた。PC は Windows 7 64bit。

その前に H800 の仕様の確認だが、Bluetooth は
  • Bluetooth 2.1(EDR 無し)→速度は最大 723.2Kbps での通信
  • Class 2→距離は最大 10m まで通信
  • A2DP & HFP プロファイル→ステレオ音声再生とマイク入力サポート
となっている。一方で USB は USB 2.0 ポートにレシーバーを差し込むが、USB レシーバーとヘッドセットの無線通信方法は独自で、詳細は不明だが、ステレオ音声再生とマイク入力をサポートしているのは間違いない。

H800 の耳元にあるスイッチで Bluetooth と USB を切り替えるのだが、切り替えた直後、Bluetooth は必ず 2 回、音が一瞬途切れる。USB の場合はそのようなことは起こらない。

音質については、どちらの通信方法でも、音声を聞く分には申し分のない音質。

また、音楽鑑賞用途にも耐える音質となっている。USB 接続の音質はファーストインプレッションでも書いたが、音がちょっとごちゃっとなってクリア感が失われるのと、音が軽いというのはあるものの、なかなかのものだ。

Bluetooth 接続だと、USB 接続よりも少し音質が落ちる印象。特に高音は、USB 接続よりもさらにクリア感が失われ、伸びしろが少ないような気がする。いきものがかりの「茜色の約束」を聴いてみたところ、出だしのハイハットの印象が違った。Bluetooth でどの圧縮方法(SubBand/MPEG-1/AAC/ATRAC)を使っているのかは不明だが、USB の方がより良い圧縮方法を使っているか、もしくは無圧縮なのかもしれない。とはいえ、「気のせいではないか?」と問われれば、そうかもしれないと思う程度の違いでしかないが。

その他、遅延については、USB の方が遅延が少ないらしい。自分はゲームをあまりやらないので確認していないが、ネット上での評判がそうなっている。

総じて、Bluetooth 接続よりも、USB 接続の方が良好と言える。

なので、普段使っているデスクトップマシンの USB ポートに H800 のレシーバーを挿しっぱなしにしている。

USB レシーバーを挿したり抜いたりするのは面倒なので、持ち歩き用のノート PC で H800 を使いたい場合は、Bluetooth で使おうと思っている。

PC 2 台持ちやウォークマン等の Bluetooth 対応機で使いたいというニーズがなければ、USB 接続のみの安価な H600 でも事足りるのかもしれない。

もっとワイヤレスオーディオが進化して欲しい

ロジクールのワイヤレスヘッドセット H800 を買ったのを機に、オーディオデータをワイヤレスで飛ばす際の規格について調べてみた。ちなみに、H800 は、Bluetooth と独自 USB の 2 つを切り替えてパソコンと接続できる。

ワイヤレスオーディオで標準的なのは H800 もサポートしている Bluetooth。H800 は Bluetooth の詳細が不明だが、一般的には、Bluetooth Ver 2.x+EDR / A2DP で通信するのが多いのではないか。

Bluetooh で通信する際の欠点は、音質が悪くなることと、遅延が発生すること。Bluetooth で音声をやりとりするためのプロファイルである A2DP (Advanced Audio Distribution Profile) には、無圧縮で音声を伝達する方法が定められていない。最高でも AAC 圧縮の音質に下がってしまう。また、一般的に 0.2 秒程度の遅延が発生するとのことで、普通に音楽を聴く分には問題ないものの、ゲーム用途では使えない。

音声を圧縮するのは、単純に速度が足りないからと思われる。無圧縮の音声データは一般的に 1411.2Kbps。一方で、Bluetooth Ver 2.x+EDR の最高速は、下り速度に特化した場合でも 2178.1Kbps。無線の場合、電波状況が良好でも理論値通りの速度は出ないし、ましてや電波が不安定だったりすると、とても 1411.2Kbps の通信はできないだろう。

Bluetooth も Ver 3.x+HS になれば 24Mbps の速度となり、無圧縮の音声データを送るのに十分な速度となる。しかし、A2DP プロファイルが無圧縮をサポートしない現状では速度だけ上がってもダメだし、また、Ver 3 は Windows 7 の標準サポート外という問題もある。Bluetooth で無圧縮をサポートする計画があるのか分からないが、仮に計画があったとしても道のりは長そうだ。

では USB はどうか。

USB には USB オーディオという規格があり、有線 USB では普及している。USB 2.0 は 480Mbps と高速で、無圧縮で音声データを送ることができ、遅延も問題にならない。

USB の場合の問題は無線。Wireless USB という標準規格があり、有線 USB をすべて無線に置き換えることができるのだが、残念ながら普及していない。パソコン側にも Wireless USB は搭載されていないし、ヘッドフォン・ヘッドセットも Wireless USB 対応というのは見たことが無い。

というわけで結局、ロジクールのように USB ポートを用いた独自無線通信をすることになってしまうのだろう。

標準規格の方が何かと便利なので、Wireless USB には普及してもらいたいところだが……。

何故かヘッドフォンを買ってしまった

Skype 通話用のワイヤレスヘッドセットとして、これまで Microsoft LifeChat ZX-6000(本体には WH01 と書いてあるが、どうやら ZX-6000 と同一の模様)を使っていた。

ワイヤードだと通話中ずっとパソコンの前に座ってないといけないけど、ワイヤレスであれば、飲み物のみに行ったり、洗濯物干したりしながらでも Skype ができて便利なのである。

ZX-6000 は片耳用なのでコンパクトで、かつ音も良く(ワイヤレスだとこちらの声にノイズが乗る製品が多いらしい)、なかなか気に入っていたが、長らく使っていたために耳当てのスポンジがボロボロになってしまったのと、通話中に充電ができない欠点があるので、買い換えを決意。

ZX-6000 同様、コンパクトで気軽に装着できるのがよかったんだけど、ヨドバシにそういうのが置いてなかった。

で、結局買ったのが、Logicool Wireless Headset H800。ジャンルはヘッドセットになってるけど、見た目が完全にヘッドフォン。こんなにごついのは嫌だったんだけど、他に選択肢が無かったので。

しかし、買い換えた甲斐あって、ちゃんと充電中でも使えるようになった。これで電池の心配をしなくて済む。

しかもこの H800、なかなかに高音質。ZX-6000 の音が良いというのは、あくまでもノイズ無く会話できるという意味での音が良いということだが、H800 は音楽を聴いても違和感ないくらい音が良い。普段ヘッドフォン使ってないので、どのくらい高音質なのかの比較はできないけど。

解像度が甘いと言えば良いのか、音がちょっとごちゃっとなってクリア感が失われる(ソースがリニア PCM 音源だと分かりやすい)のと、音が軽いというのはあるけど、Skype するには十分すぎる高音質。

まだ通話していないので、こちらの声の音質は分からないけど、聞く方がこれだけきれいなら、話す方も特に問題ないのでは無いかという期待はできる。

欠点は、ロジクール同士なのに、マウスとヘッドセットで USB トランスミッターを共用してくれないことかな。USB ハブにロジクールデバイスが 2 本差しになってしまった。マウスとキーボードは共用してくれるそうだが、どうせならヘッドセットも対応して欲しいものだ。

価格は 7,680 円也。

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