ソフトウェア-ニコカラ

ニコカラメーカー 2 で歌詞のパート分けをする方法まとめ

カラオケ字幕動画ファイル(ニコカラ)作成 Tips です。

デュエット曲など複数名で歌う曲の場合、「誰が歌う歌詞なのか」を分かりやすく表示すると、歌いやすいニコカラになります。「パート分け」などと呼ばれる手法について、ニコカラメーカー 2 で実現する方法をこの記事でまとめました。

ニコカラメーカー 2 にはパート分けをするための機能が多数あります。とても簡単にパート分けできるもの、こだわりのパート分けができるもの、など、用途に合わせてお使い頂けます。

なお、縮小表示されている画像はクリックすると拡大できます。

コーラスパート分け

コーラス自動色分けメイン歌手が「いい子にしててね」と歌った後に、合唱団がコーラスで「は~い」と歌うようなパート分け表示は、とても簡単にできます。

RhythmicaLyrics などで歌詞ファイル(.lrc)をを作成する際、コーラス部分の歌詞を丸括弧()で囲んでおくだけです。丸括弧は全角でも半角でも構いません。

例えば、歌詞ファイルを以下のようにします。
[00:03:00]いい子にしててね(は~い)[00:06:00]

ニコカラメーカー 2 は、丸括弧で囲まれた部分を自動的にコーラスと認識して色を変えますので、とても手軽にパート分けをすることができます。

メイン歌手とコーラスのワイプタイミングは同時でも問題ありません。
[00:03:00]いい子にしててね[00:06:00][00:03:00](は~い)[00:06:00]

丸括弧で囲まれた部分をコーラスと認識して色分けする機能は「コーラス自動色分け」といいます。コーラス自動色分けの詳細については、ニコカラメーカー 2 ヘルプをご覧ください。

コーラス独立表示

コーラス独立表示前節のコーラスパート分けではメイン歌手とコーラスの字幕をひとつながりで表示していましたが、コーラス部分の字幕だけ別の位置に表示したい場合もあります。

その場合は、メイン歌手とコーラスの歌詞ファイルを分け、2 つの歌詞ファイルにすると簡単に独立表示できます。

メイン歌手の歌詞ファイルを以下のようにします。
[00:03:00]からあげおいしいよ~[00:06:00]
[00:07:00]とってもおいしいよ~[00:10:00]

コーラスの歌詞ファイルを以下のようにします。
[00:05:00]Uh~[00:08:00]

ニコカラメーカー 2 の歌詞編集タブには子タブが複数ありますが、子タブ「メイン」の歌詞ファイルにメイン歌手の歌詞ファイルを指定し、子タブ「コーラス 1」にコーラスの歌詞ファイルを指定すると、コーラスが独立表示されます。

この方法はニコカラメーカー 2 のチュートリアルでも紹介していますので参考にしてください。

歌詞編集タブでのフォント指定

フォント指定デュエット曲のように 2 人が交互に歌う曲のパート分けの方法として、最もシンプルなのは、歌詞編集タブでフォントを指定する方法です。

フォントを選択すると、その行のフォントを変更できます。

複数行のフォントを一括で変更したい場合は、変更したい行の左側のチェックボックスにチェックを入れてからどこかの行でフォントを変更すると、チェックされた行のフォントが一括で変更されます。

行全体ではなく一部の文字だけフォントを変更したい場合は、変更したい文字をマウスで選択してからフォントを選びます。

歌詞編集タブの詳細についてはニコカラメーカー 2 ヘルプをご覧ください。

この方法はシンプルで分かりやすい反面、手間がかかります。

100 行のフォントを変更したい場合、100 行にチェックを入れなければなりません。

また、「自動でフォントを設定」機能を使うと、この方法で手動設定したフォントはリセットされますし、歌詞ファイルが更新された場合もリセットされる場合があるため、ニコカラを試行錯誤しながら作り込んでいく場合はさらに手間が増えてしまいます。

パート自動色分け(アイコン付き)

パート自動色分け(アイコン付き)デュエット曲や 3 人以上で歌う曲は、誰が歌う字幕なのかがわかりやすいようにアイコンを付けると、歌いやすいニコカラになります。

アイコンを付けるには、歌詞ファイルを以下のようにします。アイコンを付けたい位置に目印を付け、@Emoji タグで目印の詳細を記載します。
[00:02:00]【男】[00:02:00]俺はきのこが好きなんだ[00:05:00]
[00:06:00]【女】[00:06:00]私はたけのこが好きなのよ[00:09:00]

@Emoji=【男】,絵文字_男性.png,,NoDecor,MarginRight=7
@Emoji=【女】,絵文字_女性.png,,NoDecor,MarginRight=7

「絵文字_男性.png」の後ろのカンマは 2 つ続けることに注意してください。

「絵文字_男性.png」と「絵文字_女性.png」がアイコンとなる画像ファイルで、歌詞ファイルと同じフォルダーに保存しておきます。

すると、「【男】」という歌詞の箇所がアイコン画像ファイルに置き換わって表示されます。

パート自動色分け(アイコン付き)のフォント設定さらに、フォント設定タブで、フォント設定 1 の名称を「【男】」、フォント設定 2 の名称を「【女】」にします。その後、歌詞編集タブで「自動でフォントを設定」すると、アイコンに続く歌詞のフォントが自動的に変更されます。

この方法は歌詞ファイルを準備する段階では少し大変ですが、アイコン付きで分かりやすくなり、また、フォントの指定が自動的に行われるのもメリットです。

パート自動色分け(アイコン付き)についての詳細は、ニコカラメーカー 2 ヘルプをご覧ください。

パート自動色分け(アイコン無し)

パート自動色分け(アイコン無し)パート自動色分けしたいけどパートの先頭にアイコンは付けたくない、と言う場合は、パート自動色分け(アイコン無し)のやり方を応用します。

基本的にはアイコン付きと同じやり方ですが、画像を横 1 ピクセルの透明画像にします。「すごく横幅の狭い透明画像を表示」すると、結果的にアイコンの無い状態に見せることができます。
[00:02:00]【男】[00:02:00]俺はきのこが好きなんだ[00:05:00]
[00:06:00]【女】[00:06:00]私はたけのこが好きなのよ[00:09:00]

@Emoji=【男】,透明画像.png,,NoDecor
@Emoji=【女】,透明画像.png,,NoDecor

横 1 ピクセルの透明画像はニコカラメーカー 2 のサンプルフォルダーに置いてあります。

パート自動色分け(アイコン無し)についての詳細は、ニコカラメーカー 2 ヘルプをご覧ください。

アイコン無しでのパート分けをする場合、個人的には、歌詞編集タブでフォント指定を手動でやるのではなく、この方法で自動色分けすることをオススメします。

ニコカラを試行錯誤しながら作り込んでいく場合に、「自動でフォントを設定」するだけで自動色分けされるため手間がかからず、一部分だけフォントを変更し忘れるというミスも防げます。

カラオケ動画のタイムタグ打ちのコツ

カラオケ動画(ニコカラ)を作る際、より歌いやすい字幕にするための、タイムタグの打ち方のコツをまとめました。丁寧にタイムタグを打つための Tips 集で、どちらかといえば上級者向けです。使用するツールは RhythmicaLyricsニコカラメーカーを前提としています。

(補足)
そもそものカラオケ動画の作り方については、こちらの記事をご覧ください。

目次

チェックの間引き(同じリズム)

同じリズムRhythmicaLyrics は基本的に、すべての歌詞の文字にチェック(タイムタグを打つ位置を示す白い三角)を入れてくれています。

しかし、同じ長さの音符が続くところ(同じリズムのところ)は、チェックを外した方が歌詞のワイプが滑らかになります。

右の図で、「オトメ」はそれぞれ 8 分音符、「は目」はそれぞれ 4 分音符です。その場合、音符の長さの境目の「オ」と「は」にだけ、チェックを入れるようにします。

すべての文字にチェックを入れてタイムタグを打つと、人間の作業ですから、どうしてもタイムタグ間隔に多少のズレが生じてしまい、ワイプする時に速度が速くなったり遅くなったりして歌いづらくなってしまいます。

チェックを間引いておくと、その間のワイプはニコカラメーカーが自動的に均一の速度にしてくれますので、滑らかで歌いやすい字幕ワイプになります。

チェックの間引き(アクセントの無い母音)

あいまい母音母音(あいうえお)のうち、強調して発音されない母音(母音にアクセントが乗っていない場合)も、チェックを外した方が歌詞のワイプが滑らかになります。

右の図で、「い」は単独で明確に発音するものではなく、直前の「な」とセットになって「ない」として一括りで発音されます。その場合は、「い」のチェックを外します。

アクセントの無い母音である「い」がどのタイミングで始まるのか明確ではないので、「い」にチェックをいれてタイミングを意識させるよりは、「ない」セットで均等にワイプするほうが自然に感じられます。

ただし、同じ歌詞であっても、母音にアクセントがあるかどうかはメロディーによって変わってきます。母音単独で明確に発音される状況ならば、チェックを残すようにします。

チェックの間引き(行末)

行末歌詞の行末と、次の行の先頭がタイミング的にすぐの場合は、行末のチェックを外すと、行末と次の行頭のタイムタグが一致して滑らかに次の行に遷移する感覚になります。

一方、行末で一呼吸入れてから次の行に行くようなタイミングの場合は、行末にしっかりとチェックを入れておく方がメリハリのあるワイプになります。

(補足)
RhythmicaLyrics の[ツール→設定]メニューにて、自動チェック→チェックの付け方で「キーアップチェック」がデフォルトで ON になっていますが、この Tisp のように行末にチェックを付けたり付けなかったりする手法を使う場合には、「キーアップチェック」を OFF にしておくほうがやりやすいと思います。

全体のワイプタイミング一括調整

RhythmicaLyrics には、[ツール→設定]メニューから、時間→タイムタグ打ち込みの「タイムタグ打ち込み時にずらす時間」設定で、自分がスペースキーを押したタイミングと打ち込まれるタイムタグの時刻を一定時間ずらせる便利なタイミング調整機能が備わっています。この機能のおかげで、「タイミング良くスペースキーを押しているのに、実際の字幕ワイプが微妙に遅いなぁ」と感じたら、この数値をマイナス方向に調整してからタイムタグを打つことで、ぴったりの字幕ワイプを実現できます。

しかしこの数値を設定してある環境でも、曲自体のテンポや、あるいは自分の体調等によって、普段より字幕ワイプタイミングが全体的に遅かったり早かったりする場合があります。

AtOffsetそのような場合は、@Offset タグを使うことにより、全体のワイプタイミングを「事後」に調整できます。

[ツール→@ タグオプション]メニューをクリックし、「その他の @ タグ」の欄に、「@Offset=-100」のような形式で @Offset タグを入力します。

単位はミリ秒です。マイナスの場合はワイプタイミングが早くなり、符号無し(プラス)の場合はワイプタイミングが遅くなります。

@ タグを入力しても、RhythmicaLyrics 上ではタイミングの変更は反映されません。[ファイル→出力→ルビ拡張規格でタイムタグ出力→実行]メニューで歌詞ファイルを出力し、ニコカラメーカーに読み込ませると、ニコカラメーカーがタイミングを調整します。

(補足)
RhythmicaLyrics は Ver 5.2 現在、@ タグを入力・変更しただけではドキュメントが更新されたと見なされず、@ タグ入力直前に保存をしていると、上書き保存ができない状態になっています。
ダミーのワイプタイミングの白い三角を一時的に挿入→削除するなどして、更新状態にしてから上書き保存しましょう。

行頭だけワイプタイミングを早める

歌詞のワイプタイミングは、「ぴったり」ないしは「ほんの気持ち早めのワイプ」が歌いやすいですが、行頭に限っては、それよりも少し「早め」にワイプを始めると歌いやすくなります。

特に歌い慣れていない曲の場合、歌い出しのタイミングが分からず、歌詞のワイプが始まるのを見て「あっ」と思って歌い始める場合がありますが、行頭が「ぴったり」ワイプすると、歌い手がワイプを認識して発声する頃にはタイミングが遅れています。行頭を「早め」にワイプすることにより、歌い手が歌うタイミングと実際の楽曲のタイミングが合わせられるようになります。

行頭以外は、歌い手も正規のタイミングが掴めている状態なので、「早め」だとタイミングが狂ってしまいますので、「ぴったり」(ないしは「ほんの気持ち早め」)のほうが歌いやすいです。

AtHeadOffset行頭だけタイミングを早めるには、@HeadOffset タグを使います。

[ツール→@ タグオプション]メニューをクリックし、「その他の @ タグ」の欄に、「@HeadOffset=-100」のような形式で @HeadOffset タグを入力します。

単位はミリ秒で、マイナスの数値を入れることにより行頭のワイプタイミングが早くなります。

楽曲のテンポや好みにもよりますが、-100~-120 程度が歌いやすい場合が多いのではないでしょうか。

直前の行の行末のタイムタグが無い場合は、行末のワイプタイミングも @HeadOffset に合わせて早められます。@HeadOffset であまりにもタイミングを早めてしまうと、直前行末が一瞬でワイプするなどの弊害が出ますので注意して下さい。

@HeadOffset タグも @Offset タグ同様、RhythmicaLyrics 上ではタイミングは反映されず、ニコカラメーカーでタイミングが反映されます。

UTAU オリジナル曲のニコカラを作ろう! (ルビ編) 【改訂版】

※最新の状況を反映した修正版を公開しました → こちらの修正版をご覧ください。



(以下、古い内容です)

ニコカラガーディアンエンジェル_OnVocal_001_サムネイル ボカロと比べて、UTAU オリジナル曲のニコカラ(カラオケ字幕付き動画)が投稿されるのって少なくね?

というわけでスタートしたこの連載。投稿編(前回)までで、一通りのニコカラ作成ができました。今回は、ワンランク上のニコカラ、「ルビ付き」のニコカラを作成します。

ニコカラの作り方 ルビ編 目次

ルビを振るやり方は 2 種類

ルビ付きのニコカラを作成するには、2 通りのやり方があります。
  • ニコカラメーカーの「ルビ」タブでルビを編集する
  • RhythmicaLyrics でルビを編集する
簡単なのは、ニコカラメーカーでルビを振るやり方です。具体的な方法はニコカラメーカーのヘルプをご覧ください。

一方、RhythmicaLyrics でルビを編集するやり方は、多少手間はかかりますが、ルビのワイプタイミングを制御できるこだわりのニコカラとなります。

以下では、RhythmicaLyrics でのルビ編集について説明します。

RhythmicaLyrics でルビを振る場合の相違点

ニコカラ作りの流れは、入門編でなぞったように、「元動画の入手→歌詞ファイルの作成→タイムタグ入力→ニコカラの作成」となります。RhythmicaLyrics でルビを振る場合、「タイムタグ入力」の前に、「ルビを振る」という作業が発生します。

RhythmicaLyrics でルビを振る場合のやり方を詳しく説明していきます。

RhythmicaLyrics でルビを振る

入門編の「元動画の入手→歌詞ファイルの作成」まで終えた状態で、ルビを振っていきます。

「歌詞ファイルの作成」では、RhythmicaLyrics のテキスト編集モード(白色の画面)で作業をしていましたが、メニューの[モード変更→テキスト編集モード]をクリックしてチェックを外し、紺色の画面に戻します。入力した歌詞の自動チェックが行われるので少し待ちます。

ルビ表示メニューの[ルビ→ルビを表示する]にチェックを入れます。すべての文字の上に、ルビが表示されます。

ひらがなの上にルビを表示しても仕方ないので、削除します。メニューの[ルビ→文字種を指定してルビを削除]をクリックします。オプションダイアログが表示されるので、「ひらがな」「カタカナ」にチェックを入れ(デフォルトでそうなっているはず)、実行ボタンをクリックすると、ひらがな・カタカナの上のルビが削除されます。

基本的にはこれでルビが設定されていますが、自動設定で間違っている箇所は、手動で設定していきます。

ルビ編集カーソルキーで緑色のカーソルを動かして、ルビが間違っている箇所を指定し、メニューの[ルビ→ルビを編集](または F2 キー)でルビを編集できます。

テキストボックスが表示されるので、キーボードで正しいルビを入力します。エンターキーでルビ編集終了です。

デフォルトで設定されていたルビと文字数が変わった場合は、スペースキーや DEL キーで、文字数を表す白いマークの数も調整しておきましょう。

(ワンポイント)
ルビ編集3普通の漢字は、「暗(くら)闇(やみ)」のように、漢字の文字数が複数でも、どの漢字にどのルビが対応するかが分かれています。
しかし中には、「今日(きょう)」のように、漢字 2 文字セットで「きょう」というルビになるものも存在します。
デフォルトでは「今(きょ)日(う)」のように分かれてしまっていますが、こだわるのであれば、セットでルビを振ることも可能です。
「今」のルビとして「きょう+」というように、すべてのルビを振った上で、末尾に全角のプラス記号を付けます(半角ではダメです)。そして、「日」のルビは空欄にします。
ルビの末尾が全角プラスだと、隣の漢字と結合してルビを表示してくれますので、右の図の右側のように、正しく「きょう」というルビが振られます。
(ワンポイント)
Neighbor アルファベットにルビを振る場合も、全角プラス記号が便利です。
例えば、「Neighbor」に「ネイバー」とルビを振りたい場合は、「N」のルビを「ネイバー+」にして、「e」から「o」までのすべてのルビを「+」とすることで、Neighbor 全体に対して「ネイバー」のルビを振ることができます。末尾の「r」はルビ不要です。
(ワンポイント)
Neighborアルファベットの途中のワイプ速度を調整したい場合は、文字の下の白いマークを調整した上で、全角プラスを活用してルビを振ります。
例えば、「Neighbor」において「Ne=ネ」「igh=イ」「bor=バー」それぞれでワイプを合わせたい場合は、N、i、b のところに白いマークを入れ、さらに、単語の末尾である r の後ろにも白いマークを入れます。
ルビは、「N:ネ+」「e:+」「i:イ+」「g:+」「h:+」「b:バー+」「o:+」のように入れます。
(ワンポイント)
読み確定文字頻出英単語は予め RhythmicaLyrics に単語登録しておくと、自動でルビを振ってくれるので便利です。
[ツール→設定]メニューをクリックし、[自動チェック→読み確定文字]をクリックします。
「読み確定文字機能を使う」にチェックを入れます。
確定文字に「Neighbor」、読みに「ネイバー+,+,+,+,+,+,+,」を入力し、追加ボタンをクリックします。読みに入力する+は全角、カンマは半角です。カンマの数は英語の文字数マイナス 1 個(末尾のカンマを忘れずに)です。Neighbor の場合、英単語が 8 文字なので、カンマは末尾を含めて 7 個です。カンマの数を間違えていると、追加ボタンをクリックしても追加されません。
アルファベットのワイプ速度を調整したい場合(チェック位置を指定したい場合)は、「英単語のチェック数:読みに関わらず先頭に 1 つのみ」のチェックを外したうえで、確定文字に「Neighbor」、読みに「ネ/1+,+,イ/1+,+,+,バー/1+,+,」のように、半角スラッシュと 1 を入れます。
ルビを設定し終えたら、保存します。

保存する際は、メニューの[ファイル→編集中データの保存]で、.rlf ファイルとして保存して下さい。さもないと、ルビ情報が完全に保存されず、次回 RhythmicaLyrics を使う時にルビ情報が失われてしまいます。

次回 RhythmicaLyrics を使う時は、.rlf ファイルをドラッグ&ドロップして開いて下さい。

タイムタグの作成

タイムタグの作成は、入門編と同じやり方で大丈夫です。

ただし、保存だけが異なります。

ルビ拡張規格でタイムタグ出力ワイプタイミングをすべて指定し終えたら、メニューの[ファイル→出力→ルビ拡張規格でタイムタグ出力→実行]をクリックし、タイムタグ付き歌詞ファイル(.lrc)を出力します。

RhythmicaLyrics の作業内容を保存する時は「編集中データの保存」、歌詞ファイルとして保存する時は「ルビ拡張規格でタイムタグ出力」というように、2 種類の保存を使い分ける必要があるので、注意して下さい。

ニコカラの作成

ニコカラメーカールビ付きニコカラの作成も、入門編と同じやり方で大丈夫です。

ニコカラメーカーで、ルビ拡張規格でタイムタグ出力したタイムタグ付き歌詞ファイル(.lrc)を読み込むと、自動的にルビが振られます。

以上で、ルビ付きのニコカラが作成できました。完成したニコカラはこちらで公開しています。

全 4 回の連載にお付き合いいただき、お疲れ様でした。たくさんのニコカラを作って、推し音源や UTAU 界隈を盛り上げていって下さい。

UTAU オリジナル曲のニコカラを作ろう!【改訂版】 連載(全 4 回)

  1. 入門編
  2. 調整編
  3. 投稿編
  4. ルビ編 (←今ここ)

参考リンク






UTAU オリジナル曲のニコカラを作ろう! (投稿編) 【改訂版】

※最新の状況を反映した修正版を公開しました → こちらの修正版をご覧ください。



(以下、古い内容です)

ニコカラガーディアンエンジェル_OnVocal_001_サムネイル ボカロと比べて、UTAU オリジナル曲のニコカラ(カラオケ字幕付き動画)が投稿されるのって少なくね?

というわけでスタートしたこの連載。調整編(前回)でフォントなどを設定し、立派なニコカラになりました(ルビはありませんが)。今回は、ニコニコ動画に投稿する際の、ニコカラならではの注意点などをまとめていきます。

ニコカラの作り方 投稿編 目次


エンコードする

調整編で出力した動画は、自分が見る分にはそのままで大丈夫ですが、ニコニコ動画に投稿(アップロード)するには、mp4 にエンコードする必要があります。

エンコードソフトはたくさんありますが、ここでは、つんでれんこを使います。つんでれんこは、ニコニコ動画の新仕様でなるべく高画質な動画が投稿できるようにエンコードしてくれます。

つんでれんこは、必ず最終版(Ver 2.96)を使って下さい。

つんでれんこをダウンロード・解凍すると、「【ここに動画をD&D】.bat」というファイルがありますので、ここに向けて、ニコカラメーカーで作成した動画(無圧縮 AVI)をドラッグ&ドロップします。

初回起動時は、エンコードに必要なソフトウェアが自動的にダウンロード・インストールされるので、しばらく待ちます。

つんでれんこ次回以降は、黒い画面が表示され、質問が出てきますので、キーボードから回答を入力します。以下のような回答がいいでしょう。
  • 質問の詳しさはどれくらいが好み? → 2: ふつう(だいたい今までのつんでれんこ)
  • YouTube?それともニコニコ?それともTwitter? → N(必ず大文字の N にして下さい)
  • リサイズは? → n
  • 音ズレ処理をする? → y
最後に確認が表示されるので、y で答えればエンコードが始まり、しばらく待つと mp4 動画ができあがります。

ニコニコ動画に投稿する

Web ブラウザ(Firefox など)でニコニコ動画のサイトを開き、画面上部の「動画投稿」をクリックします。

投稿画面先ほどエンコードした mp4 動画をブラウザにドラッグ&ドロップすると、投稿設定画面になります。

それぞれの項目を入力していきます。
  • 動画タイトル……ニコカラの場合は、「ニコカラ」「元の曲名」「On Vocal or Off Vocal」を組み合わせたタイトルにすることが多いです。
  • 動画説明文……元の動画の sm 番号を書いておくようにしましょう。
  • カテゴリタグ……特に決まりはないのですが、元の動画のカテゴリタグに合わせる人が多いように見受けられます(元の動画が VOCALOID カテゴリなら、ニコカラも VOCALOID カテゴリ)。
  • タグ……必ず「ニコニコカラオケDB」タグを付けておきましょう。UTAU オリジナル曲の場合は、「UTAUカラオケDB」も付けておきます。
  • サムネイル……お好みで。元動画のサムネイルに合わせる人もいれば、歌詞字幕を目立たせてニコカラであることをアピールする人もいるようです。
入力し終えたら、投稿内容を確認し、投稿します。しばらくするとニコニコ動画に登録完了します。

投稿一覧投稿が完了したら、続いて、コンテンツツリーを登録します。

コンテンツツリーは、動画製作に当たり使用したコンテンツを登録するためのものです。権利関係を明確にするのに必要なほか、親作品を見た人がツリーを辿って自分の動画を見に来てくれる可能性も高まります。

投稿動画一覧ページに先ほど投稿した動画が追加されていると思いますが、そこに「コンテンツツリーの確認」というリンクがあるのでクリックします。

コンテンツツリーコンテンツツリーの登録画面になるので、「親作品を登録する」をクリックします。

コンテンツツリー登録親作品を登録する方法はいくつかありますが、「ID から指定」を選び、「作品 ID」欄に元の動画の sm 番号を入力する、というやり方が一番確実です。

ID 入力後、「+」ボタンをクリックすると動画が表示されるので、それを右側にドラッグ&ドロップで移動します。

ニコカラの作成にニコカラメーカーを使った場合は、同様のやり方で、ニコカラメーカー 簡易説明書動画(sm28311188)も親作品に登録しておきます。

コンテンツツリー登録2親作品が揃ったら、画面下部の「この内容でコンテンツツリーを作成する」をクリックし、コンテンツツリーの登録を完了します。

以上で、投稿作業は終わりです。

(余談)
YouTube など、ニコニコ動画以外の動画サイトに投稿する場合は、権利処理に注意が必要です。
例えば、元動画が素材として使用しているパーツが、ニコニコ動画でのみ利用可能な規約だった場合、個別に許諾を得ない限り、YouTube などには投稿できません。
ただし、自分で YouTube に投稿しなくても、悪意のある第三者が勝手に YouTube に投稿(無断転載)してしまう場合があります。
無断転載を防ぐためには、自分で「非公開動画として」YouTube にアップロードしておくと良いという話も耳にしたことがありますので、検討してみても良いでしょう。
ここまでで、一通りのニコカラ作りを終えました。

次回は、少しステップアップした、「ルビ付き」のニコカラ作りについてです。

UTAU オリジナル曲のニコカラを作ろう!【改訂版】 連載(全 4 回)

  1. 入門編
  2. 調整編
  3. 投稿編 (←今ここ)
  4. ルビ編

参考リンク





UTAU オリジナル曲のニコカラを作ろう! (調整編) 【改訂版】

※最新の状況を反映した修正版を公開しました → こちらの修正版をご覧ください。



(以下、古い内容です)

ニコカラガーディアンエンジェル_OnVocal_001_サムネイル ボカロと比べて、UTAU オリジナル曲のニコカラ(カラオケ字幕付き動画)が投稿されるのって少なくね?

というわけでスタートしたこの連載。入門編(前回)では「とりあえず」ニコカラを作成した、という状態ですので、ここで作成したニコカラを手直ししていきましょう。まだ入門編を読んでいない方は、先に入門編をどうぞ。

ニコカラの作り方 調整編 目次


字幕フォントを変更する

まずは字幕フォントのフォント(書体)・色・サイズなどを好みのものにしていきましょう。

ニコカラメーカーを起動し、「ようこそ」タブの「プロジェクトを開く」ボタンで、入門編の時に保存したプロジェクトを開きます。

ニコカラメーカー字幕フォント設定「字幕フォント設定」タブをクリックしてください。ここで字幕フォントを設定します。

「字幕フォント設定」タブの中に、さらに「標準配色」「アイス」……といったタブが並んでいます。1 つ 1 つのタブが、フォント・色・サイズなどのセットを表しています。通常は「標準配色」タブしか使いませんので、本稿でも、「標準配色」タブのみを使います。

「配色」の部分で字幕フォントの色を設定します。

タブが 6 つ並んでいますが、前半 3 つの「ワイプ後/文字色」「縁取り色」「影色」タブでワイプ後(歌唱した後)の字幕フォントの色を、後半 3 つの「ワイプ前/文字色」「縁取り色」「影色」タブでワイプ前(歌唱する前)の字幕フォントの色を設定します。

セオリーとしては、「文字色」と「縁取り色」のコントラストを高くする(濃淡の違いをくっきりさせる)と見やすくなります。多くのカラオケでは、
  • 「ワイプ後/文字色」……濃い色
  • 「ワイプ後/縁取り色」……白系
  • 「ワイプ前/文字色」……白系
  • 「ワイプ前/縁取り色」……黒系
になっているのではないでしょうか。

スマホ緋惺実際に設定していきましょう。まずは「ワイプ後/文字色」から。セオリーに従い、濃いめの色にします。

この部分は比較的自由度が高く、濃い色であれば色味はわりと自由にできます。本稿で例としているガーディアンエンジェルのボーカルは UTAU 緋惺ですが、そのオッドアイの青・赤を「ワイプ後/文字色」にしてみます。

「ワイプ後/文字色」タブの「グラデーション」ラジオボタンを選択します。

グラデーション指定欄の上端のマーカー(黒い左向き三角)をクリックした後、RGB 欄に数値を入力して色を指定します。

上端の色を青にしますが、カラオケ字幕としては少し濃い方が見やすいので、R: 30、G: 30、B: 130 としました。

同様の手順で、下端を赤に設定します。R: 130、G: 30、B: 30 です。

ニコカラメーカーグラデーションこれだけでも青と赤のグラデーションになるのですが、グラデーションの傾斜を急にしたかったので、マーカーを追加しました。右の図を見ていただくと、追加マーカーなし(左)・あり(右)でのグラデーションの違いがわかるかと思います。

マーカーを追加するには、追加したい位置をクリック(黒い線が表示されます)してから、追加ボタンをクリックします。

裏技(というほどのものではないのですが)としては、上端あるいは下端のマーカーをドラッグすると、マーカーが増えます。

ワイプ後/影「ワイプ後/縁取り色」はセオリー通り白とします。

「ワイプ後/影色」は右のようなグラデーションにしました。

ワイプ前/文字色「ワイプ前/文字色」はセオリー通り白でも良かったのですが、ちょっと遊び心を出して、ほんのり黄色を混ぜてみました。

とはいえ、よく見ないと気付かない程度ですので、白単色でももちろん大丈夫です。

「ワイプ前/縁取り色」は、黒でも良かったのですが、周りとのバランスを考えて少し色味を持たせ、R:50、G:30、B:0 にしてみました。

ワイプ前/影「ワイプ前/影色」は右のようなグラデーションに。橙色は、緋惺の帯をイメージしています。

ワイプすると、影がキュッっと引き締まった感じになります。

とはいえ影は目立たないので、通常は単色で十分だと思います。

配色の設定を終えたら、次はフォントの設定です。

歌詞/漢字フォントもタブが 6 つありますが、使うのは「歌詞/漢字」と「ルビ/漢字」の 2 つだけで十分です。

「歌詞/漢字」タブで、フォントを選びます。明朝系のフォントにすると、カラオケの雰囲気が出ます。通常は、デフォルトのフォントのままで問題ありません。

フォントサイズはお好みで。今回は、デフォルトより少し大きい 45 にしました。

次に「ルビ・漢字」タブですが、フォントは、「歌詞/漢字に合わせる」のままにしておきます。むやみにフォントの種類を増やすと見づらくなるので、特別な理由が無い限り、フォントは統一しておきましょう。

フォントサイズだけ変更します。歌詞の半分くらいが目安ですので、22 にしました。

字幕フォント設定を変更すると、内容がリアルタイムでサンプルに反映されます。また、プレビューで動きを見てみるのも良いでしょう。

字幕の位置を変更する

ニコカラメーカー字幕位置設定「字幕位置設定」タブで、カラオケ字幕の位置を調整できます。

「字幕位置設定」タブの中に、「下-1」「下-2」……といったタブが並んでいます。1 つ 1 つのタブが、字幕位置のセットを表しています。

通常は、最初の 2 つのタブだけを使います。カラオケ字幕は 2 行に分けて表示されますが、「下-1」が下から 1 行目(つまり下側の行)、「下-2」が下から 2 行目(つまり上側の行)です。

前節でフォントサイズを大きくしたので、上下の行が詰まった感じになってしまいました。「下-2」タブを開き、「垂直余白」(画面下からのスペース)を 140 に広げて、行の間隔を広げておきます。

1 行の歌詞の長さを調整する

行はみ出し歌詞の 1 行が長すぎて、動画の横幅に入りきらない場合があります。

このような時は、RhythmicaLyrics で歌詞の長さを調整します。

RhythmicaLyrics を起動し、入門編で作成した歌詞ファイル(.lrc)をドラッグ&ドロップして開きます。

メニューの[モード変更→テキスト編集モード]にチェックを入れ、テキスト編集モード(白背景画面)にします。

タイムタグ歌詞の間に、見慣れない数値が挿入されているかと思います。これは「タイムタグ」です。入門編で、RhythmicaLyrics のスペースキーでワイプタイミングを指定しましたが、その内容がタイムタグとして表示されています。

現時点で詳しく知る必要はありませんが、一応説明しておくと、タイムタグは [mm:ss:xx] という形式で、[分:秒:ミリ秒×10] を表しています。

例えば、
[00:00:58]光[00:01:13]を[00:01:50]浴[00:01:79]び[00:02:13]て[00:02:57]
となっている場合、「光」という文字のワイプは、0.58 秒から始まり、1.13 秒で終了するという意味になります。

閑話休題。

歌詞がはみ出している箇所を探します。今回は、「歌忘れたカナリアの嘆きに満ちた虚空を切り裂いて」が長すぎるので、「歌忘れたカナリアの」「嘆きに満ちた虚空を切り裂いて」の 2 行に分割します。

タイムタグが混じっているので探しづらいですが、該当箇所は
[01:11:36]歌...(省略)...カ[01:12:94]ナ[01:13:04]リ[01:13:26]ア[01:13:37]の[01:14:14]嘆[01:14:32]き...(省略)...裂[01:17:06]い[01:17:32]て[01:17:38]
のようになっていますので、「カナリアの」の後ろでエンターキーを押すと、改行されます。
[01:11:36]歌...(省略)...カ[01:12:94]ナ[01:13:04]リ[01:13:26]ア[01:13:37]の
[01:14:14]嘆[01:14:32]き...(省略)...裂[01:17:06]い[01:17:32]て[01:17:38]
ただし、この状態だと、「カナリアの」の「の」が一瞬でワイプされる不自然なカラオケになりますので、次の行(嘆き~)の最初のタイムタグ [01:14:14] をコピペして、「の」の後ろに追加しておきます。
[01:11:36]歌...(省略)...カ[01:12:94]ナ[01:13:04]リ[01:13:26]ア[01:13:37]の[01:14:14]
[01:14:14]嘆[01:14:32]き...(省略)...裂[01:17:06]い[01:17:32]て[01:17:38]

改行を終えたら、RhythmicaLyrics で歌詞を保存します。

歌詞変更反映RhythmicaLyrics とニコカラメーカーが両方とも起動している場合、ニコカラメーカーは RhythmicaLyrics による歌詞の変更保存を自動検出し、変更を反映します(ステータスバーにその旨のメッセージが表示されます)。

自動調整ただし、そのままでは、歌詞表示タイミングなどがずれてしまいます。「字幕スタイル適用」タブを開き、「自動で区切りを挿入」ボタンと「自動でスタイルを設定」ボタンをクリックし、タイミングを自動調整しましょう(表示されるダイアログはそのまま OK で構いません)。

これで、歌詞の長さ調節もできました。入門編の時と同様にして、動画を出力してください。

いかがでしょうか? 入門編で作成したニコカラと比べて、完成度の高さを実感できるのではないでしょうか。

次回投稿編では、ニコニコ動画に投稿します。ニコカラの一般的な習わしや注意点について記載します。

UTAU オリジナル曲のニコカラを作ろう!【改訂版】 連載(全 4 回)

  1. 入門編
  2. 調整編 (←今ここ)
  3. 投稿編
  4. ルビ編

参考リンク






UTAU オリジナル曲のニコカラを作ろう! (入門編) 【改訂版】

※最新の状況を反映した修正版を公開しました → こちらの修正版をご覧ください。



(以下、古い内容です)

ニコカラガーディアンエンジェル_OnVocal_001_サムネイル ボカロと比べて、UTAU オリジナル曲のニコカラ(カラオケ字幕付き動画)が投稿されるのって少なくね?

というわけで、もっとみなさん、UTAU オリジナル曲のニコカラを作りましょう! 推し音源の動画が着実に増えますよ!

ニコカラ(カラオケのように、ボーカルに合わせて歌詞字幕の色が変化する動画)作りに必要なのは、「元の動画」と「タイムタグ付き歌詞ファイル」の 2 つ。これらをどのように用意し、そこからどうニコカラを作っていくのか。UTAU(緋惺)オリジナル曲「ガーディアンエンジェル」を例として、ニコカラの作り方を詳しく説明します。できあがったニコカラこちらになります。

今回は入門編ということで、とにかくニコカラなるものをひとまず作ってみましょう。

なお、ニコニコ動画にアップされている UTAU オリジナル曲のニコカラを、ニコニコ動画にアップすることを前提としています。

(ワンポイント)
UTAU オリジナル曲をサンプルとして説明していますが、ニコカラの作り方としては、元動画が UTAU 曲でもボカロ曲でもその他でも、同じやり方で作成することができます。

※本稿は、以前に公開した記事について、2016 年 8 月から順次導入された「ニコニコ動画新仕様(1.5GB 再エンコード仕様)」に合わせて改訂したものです。

ニコカラの作り方 入門編 目次


元動画の入手

ニコカラは、UTAU オリジナル曲の動画(元動画)に、カラオケ字幕を重ねる、という形で作成しますので、元動画が必要になります。

元動画は、ニコニコ動画ダウンロードツールなどで入手できます。例えば、次のようなものです。
  • ZenzaWatch+動画ゲッター(手順が複雑だが高画質)
  • ニコニコ動画ダウンローダ(手順が簡単だが低画質になる場合がある)
★ ZenzaWatch+動画ゲッター で入手する ★

ニコニコ大百科でやり方が説明されていますが、ここでも要点を書いておきます。
ブラウザは Chrome で動作確認しています。
  1. Chrome に、TampermonkeyZenzaWatch動画ゲッターの 3 つの拡張機能をインストールします。
  2. Zenポップアップニコニコ動画サイトで入手したい元動画を検索します(元動画の URL を直接開くと ZenzaWatch で再生できないので、必ず検索するようにします)。検索結果の動画タイトルにマウスカーソルを合わせると、「Zen」という文字がポップアップするので、その Zen をクリックします。ZenzaWatch で動画が再生されます。
  3. ZenガーディアンエンジェルZenzaWatch の右下にある「画」をクリックすると、画質を選択できます。ニコニコ動画旧仕様の動画の場合は画質が選択できませんが、ニコニコ動画新仕様の場合は画質が選択できるので、なるべく高画質のものを選択します。
  4. 動画ゲッターアイコン動画を再生しながら(必ず再生して下さい)、Chrome ウィンドウ右上にある動画ゲッターのアイコン(右図のオレンジ矢印)をクリックします。動画ゲッターのサイトが開きます。
  5. 動画ゲッターダウンロード動画ゲッターのサイトが開き、ダウンロードできる動画が表示されるので、ダウンロードアイコン(右図の赤丸)をクリックすれば、元動画をダウンロードすることができます。動画の候補が複数ある場合は、拡張子が mp4 のものでファイルサイズが大きなものを選ぶと良いでしょう。

★ ニコニコ動画ダウンローダ で入手する ★

参考までに、ニコニコ動画ダウンローダを使うやり方も書いておきますが、簡単な反面、低画質になる場合があるので、あまりお薦めはしません。
  1. Chrome にニコニコ動画ダウンローダ拡張機能をインストールします。
  2. ニコニコ動画ダウンローダアイコンニコニコ動画サイトで元動画を開きます。Chrome ウィンドウ右上にあるニコニコ動画ダウンローダのアイコン(右図のオレンジ矢印)をクリックします。
  3. ニコニコ動画ダウンローダダウンロードニコニコ動画ダウンローダの画面が開くので、「ダウンロード」をクリックすれば、元動画をダウンロードすることができます。




歌詞ファイル作成

歌詞ファイルの作成には、次のツールを使いますので、ダウンロード・解凍して使える状態にしてください。
  • RhythmicaLyrics(通称リズミカ) ※Ver 4.7 以降を使用してください
ニコカラの作成には「タイムタグ付き歌詞ファイル」が必要ですが、本節ではそれに先立ち、歌詞本体(テキスト)を入力します。

RhythmicaLyrics を起動すると、紺色の画面が表示されますが、メニューの[モード変更→テキスト編集モード]をクリックしてチェックを入れ、テキスト編集モード(白色の画面)にします。

RhythmicaLyrics歌詞入力この画面は、メモ帳と同様、自由に文字を入力できますので、ここで歌詞を入力していきます。

ニコカラにしたい曲の歌詞がネット上で公開されていれば、それをコピペするだけなので楽です。

公開されていない場合は、動画中に表示される歌詞を見ながら、手入力していきます。

歌詞の 1 行が長いと、ニコカラの字幕として画面内に入りきらなくなってしまいますので、ある程度の長さで改行しておくと良いです(あとからでも調整できますが)。

入力が終わったら、メニューの[ファイル→名前を付けて保存]で保存します。歌詞ファイルの拡張子は通常 .lrc を使います。

タイムタグ入力

前節で入力した歌詞に、「タイムタグ」を付けていきます。タイムタグというのは、カラオケ字幕をどのタイミングで表示・ワイプ(文字塗り切り替え)させるかを指定するものです。基本的には、リズムゲームのような感覚で、タイミング良くスペースキーを押すことで作業を進めていきます。

RhythmicaLyricsメインメニューの[モード変更→テキスト編集モード]をクリックしてチェックを外し、紺色の画面に戻します。入力した歌詞の自動チェックが行われるので少し待ちます。

もしルビが表示されている場合、入門編ではルビは扱わないので、メニューの[ルビ→ルビを表示する]をクリックしてチェックを外し、ルビを非表示にしてください。ルビを扱いたい気持ちはひとまず抑えましょう(ルビは意外と大変です、また、きちんと手順を踏まないと、ルビの操作をしても保存されないことがありますので注意)。

RhythmicaLyrics のウィンドウにダウンロード済みの元動画をドラッグ&ドロップし、再生ボタンを押すと、元動画の音楽が流れます(もし、うまくエクスプローラーからドラッグ開始できない場合は、エクスプローラーで Esc キーを連打すると治ります)。

再生される音楽の歌詞に合わせてスペースキーを押すことで、カラオケ字幕がワイプするタイミングを指定します。

まず、音楽が停止している時の状態について説明します。

RhythmicaLyrics光例えば、ガーディアンエンジェルの出だしは「光を浴びて」ですが、初期状態では、「光」の左下に緑色のカーソル(矢印)があります。緑カーソルはこれから作業する位置を表しています。

歌詞の下には白いマークが並んでおり、これが歌詞の文字数を表しています。「光」の下には 3 つマークがありますが、「ひかり」3 文字ということです。「を」の下は 1 つ、「浴」の下は「あ」なので 1 つです。

もし、自動判定された文字数に誤りがある場合は、カーソルが緑色の時(音楽が停止している時)に、DEL キーでマーク削除、スペースキーでマーク追加ができます。

RhythmicaLyrics光2音楽を再生すると、緑のカーソルが赤に変化し、スペースを押すごとにカーソルの位置が進んでいきます。「ひかり~」と聞こえたら、それに合わせてスペースキーを押しましょう。

ウィンドウ右上の右から 2 番目のスライダーで、再生速度を遅くできます。個人的には 70% くらい遅くした方がやりやすいです。

再生位置は、キーボード Z キーで巻き戻し、X キーで早送りができます。巻き戻すと、既にスペースキーでタイミングを指定し終わったところがきちんとワイプ表示されるので、出来映えを確認できます。

赤いカーソルは、カーソルキーの左右で移動できます。出来映えに満足いかない場合は、カーソルを戻して何回でもやり直しできます。

慣れるまではなかなか大変ですが、とりあえずは、あまりこだわらず、最後までやることに重点を置きましょう。とりあえず作ってみて先に進まないと、雰囲気がわかりませんので。

RhythmicaLyrics の詳しい使い方については、こちらの動画が分かりやすいです。

(ワンポイント)
行末では、スペースキーを押した瞬間がワイプ開始、スペースキーを離した瞬間がワイプ終了となりますので、音の長さに合わせて、スペースを押している時間を調整すると、良いニコカラになります。
とはいえ、これはかなり慣れが必要なので、最初のうちは気にしないで先に進みましょう。


ワイプタイミングをすべて指定し終えたら、メニューの[ファイル→上書き保存]で保存し、作業を終えます。

ニコカラの作成

ニコカラの作成には、次のツールを使いますので、ダウンロード・解凍して使える状態にしてください。
ニコカラメーカーようこそニコカラメーカーを起動すると、いくつかタブが並んだ画面が表示されます。ニコカラメーカーでは、左側のタブから順に設定していくことで、無理なくニコカラが作成できるようになっています。

左から 2 番目の「素材」タブを開きます。

「元となる曲の動画」のテキストボックスに、ダウンロードした元動画(.mp4)をドラッグ&ドロップします(もし、うまくエクスプローラーからドラッグ開始できない場合は、エクスプローラーで Esc キーを連打すると治ります)。

「歌詞ファイル」のテキストボックスに、前節で作成した歌詞ファイル(.lrc)をドラッグ&ドロップします。

通常は、素材タブの設定を終えたら、隣の「字幕フォント設定」タブに行くのですが、今回はとにかく一回作ってみるということで、設定をすっ飛ばして雰囲気を見てみましょう。

ニコカラメーカープレビュー「プレビュー」タブを開きます。

再生ボタンをクリックすると、動画が再生されます。RhythmicaLyrics で指定した歌詞のタイミング通りに、カラオケ字幕がワイプし、カラオケっぽくなっているかと思います。

左側のバーで音量を調整できます。右側の「時刻描画」にチェックを入れると、再生位置(時刻)が表示されます。

元動画がフル HD などの重い動画の場合、プレビューがコマ落ちして字幕が表示されないかもしれません。そんな時は、再生ボタンではなく、コマ送りボタンを使うことで、字幕の雰囲気を見ることができます。

細かく見ていくと気になるところもあるかと思いますが、いったん先に進みます。最後の「動画出力」タブを開いて下さい。

「参照」ボタンをクリックして、ニコカラ動画の出力先ファイル名を指定して下さい。

また、ニコカラメーカーの設定を、「プロジェクトの保存」ボタンで保存しておいてください。

ニコカラメーカー動画出力その後、「動画出力」ボタンをクリックすると、ニコカラ動画が出力されます。しばらく時間がかかるので、気長に待って下さい。

プログレスバーが 100% になったらニコカラの完成です。

メディアプレーヤーなどで、できあがったニコカラを再生してみて下さい。

いかがでしたか? ニコカラ作りの基本がわかりましたでしょうか。

とはいえ、今回作成したニコカラは、いくつか気になる点があるかもしれません。次回調整編では、その辺りを直していきましょう。

UTAU オリジナル曲のニコカラを作ろう!【改訂版】 連載(全 4 回)

  1. 入門編 (←今ここ)
  2. 調整編
  3. 投稿編
  4. ルビ編

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