ボカロと比べて、UTAU オリジナル曲のニコカラ(カラオケ字幕付き動画)が投稿されるのって少なくね?
というわけで、もっとみなさん、UTAU オリジナル曲のニコカラを作りましょう! 推し音源の動画が着実に増えますよ!
ニコカラ(カラオケのように、ボーカルに合わせて歌詞字幕の色が変化する動画)作りに必要なのは、「元の動画」と「タイムタグ付き歌詞ファイル」の 2 つ。これらをどのように用意し、そこからどうニコカラを作っていくのか。UTAU(緋惺)オリジナル曲「ガーディアンエンジェル」を例として、ニコカラの作り方を詳しく説明します。できあがったニコカラこちらになります。
今回は入門編ということで、とにかくニコカラなるものをひとまず作ってみましょう。
なお、ニコニコ動画にアップされている UTAU オリジナル曲のニコカラを、ニコニコ動画にアップすることを前提としています。
※本稿は、以前に公開した記事について、2016 年 8 月から順次導入された「ニコニコ動画新仕様(1.5GB 再エンコード仕様)」に合わせて改訂したものです。
元動画は、ニコニコ動画ダウンロードツールなどで入手できます。例えば、次のようなものです。
ニコニコ大百科でやり方が説明されていますが、ここでも要点を書いておきます。
ブラウザは Chrome で動作確認しています。
★ ニコニコ動画ダウンローダ で入手する ★
参考までに、ニコニコ動画ダウンローダを使うやり方も書いておきますが、簡単な反面、低画質になる場合があるので、あまりお薦めはしません。
RhythmicaLyrics を起動すると、紺色の画面が表示されますが、メニューの[モード変更→テキスト編集モード]をクリックしてチェックを入れ、テキスト編集モード(白色の画面)にします。
この画面は、メモ帳と同様、自由に文字を入力できますので、ここで歌詞を入力していきます。
ニコカラにしたい曲の歌詞がネット上で公開されていれば、それをコピペするだけなので楽です。
公開されていない場合は、動画中に表示される歌詞を見ながら、手入力していきます。
歌詞の 1 行が長いと、ニコカラの字幕として画面内に入りきらなくなってしまいますので、ある程度の長さで改行しておくと良いです(あとからでも調整できますが)。
入力が終わったら、メニューの[ファイル→名前を付けて保存]で保存します。歌詞ファイルの拡張子は通常 .lrc を使います。
メニューの[モード変更→テキスト編集モード]をクリックしてチェックを外し、紺色の画面に戻します。入力した歌詞の自動チェックが行われるので少し待ちます。
もしルビが表示されている場合、入門編ではルビは扱わないので、メニューの[ルビ→ルビを表示する]をクリックしてチェックを外し、ルビを非表示にしてください。ルビを扱いたい気持ちはひとまず抑えましょう(ルビは意外と大変です、また、きちんと手順を踏まないと、ルビの操作をしても保存されないことがありますので注意)。
RhythmicaLyrics のウィンドウにダウンロード済みの元動画をドラッグ&ドロップし、再生ボタンを押すと、元動画の音楽が流れます(もし、うまくエクスプローラーからドラッグ開始できない場合は、エクスプローラーで Esc キーを連打すると治ります)。
再生される音楽の歌詞に合わせてスペースキーを押すことで、カラオケ字幕がワイプするタイミングを指定します。
まず、音楽が停止している時の状態について説明します。
例えば、ガーディアンエンジェルの出だしは「光を浴びて」ですが、初期状態では、「光」の左下に緑色のカーソル(矢印)があります。緑カーソルはこれから作業する位置を表しています。
歌詞の下には白いマークが並んでおり、これが歌詞の文字数を表しています。「光」の下には 3 つマークがありますが、「ひかり」3 文字ということです。「を」の下は 1 つ、「浴」の下は「あ」なので 1 つです。
もし、自動判定された文字数に誤りがある場合は、カーソルが緑色の時(音楽が停止している時)に、DEL キーでマーク削除、スペースキーでマーク追加ができます。
音楽を再生すると、緑のカーソルが赤に変化し、スペースを押すごとにカーソルの位置が進んでいきます。「ひかり~」と聞こえたら、それに合わせてスペースキーを押しましょう。
ウィンドウ右上の右から 2 番目のスライダーで、再生速度を遅くできます。個人的には 70% くらい遅くした方がやりやすいです。
再生位置は、キーボード Z キーで巻き戻し、X キーで早送りができます。巻き戻すと、既にスペースキーでタイミングを指定し終わったところがきちんとワイプ表示されるので、出来映えを確認できます。
赤いカーソルは、カーソルキーの左右で移動できます。出来映えに満足いかない場合は、カーソルを戻して何回でもやり直しできます。
慣れるまではなかなか大変ですが、とりあえずは、あまりこだわらず、最後までやることに重点を置きましょう。とりあえず作ってみて先に進まないと、雰囲気がわかりませんので。
RhythmicaLyrics の詳しい使い方については、こちらの動画が分かりやすいです。
ワイプタイミングをすべて指定し終えたら、メニューの[ファイル→上書き保存]で保存し、作業を終えます。
左から 2 番目の「素材」タブを開きます。
「元となる曲の動画」のテキストボックスに、ダウンロードした元動画(.mp4)をドラッグ&ドロップします(もし、うまくエクスプローラーからドラッグ開始できない場合は、エクスプローラーで Esc キーを連打すると治ります)。
「歌詞ファイル」のテキストボックスに、前節で作成した歌詞ファイル(.lrc)をドラッグ&ドロップします。
通常は、素材タブの設定を終えたら、隣の「字幕フォント設定」タブに行くのですが、今回はとにかく一回作ってみるということで、設定をすっ飛ばして雰囲気を見てみましょう。
「プレビュー」タブを開きます。
再生ボタンをクリックすると、動画が再生されます。RhythmicaLyrics で指定した歌詞のタイミング通りに、カラオケ字幕がワイプし、カラオケっぽくなっているかと思います。
左側のバーで音量を調整できます。右側の「時刻描画」にチェックを入れると、再生位置(時刻)が表示されます。
元動画がフル HD などの重い動画の場合、プレビューがコマ落ちして字幕が表示されないかもしれません。そんな時は、再生ボタンではなく、コマ送りボタンを使うことで、字幕の雰囲気を見ることができます。
細かく見ていくと気になるところもあるかと思いますが、いったん先に進みます。最後の「動画出力」タブを開いて下さい。
「参照」ボタンをクリックして、ニコカラ動画の出力先ファイル名を指定して下さい。
また、ニコカラメーカーの設定を、「プロジェクトの保存」ボタンで保存しておいてください。
その後、「動画出力」ボタンをクリックすると、ニコカラ動画が出力されます。しばらく時間がかかるので、気長に待って下さい。
プログレスバーが 100% になったらニコカラの完成です。
メディアプレーヤーなどで、できあがったニコカラを再生してみて下さい。
いかがでしたか? ニコカラ作りの基本がわかりましたでしょうか。
とはいえ、今回作成したニコカラは、いくつか気になる点があるかもしれません。次回調整編では、その辺りを直していきましょう。
というわけで、もっとみなさん、UTAU オリジナル曲のニコカラを作りましょう! 推し音源の動画が着実に増えますよ!
ニコカラ(カラオケのように、ボーカルに合わせて歌詞字幕の色が変化する動画)作りに必要なのは、「元の動画」と「タイムタグ付き歌詞ファイル」の 2 つ。これらをどのように用意し、そこからどうニコカラを作っていくのか。UTAU(緋惺)オリジナル曲「ガーディアンエンジェル」を例として、ニコカラの作り方を詳しく説明します。できあがったニコカラこちらになります。
今回は入門編ということで、とにかくニコカラなるものをひとまず作ってみましょう。
なお、ニコニコ動画にアップされている UTAU オリジナル曲のニコカラを、ニコニコ動画にアップすることを前提としています。
(ワンポイント)
UTAU オリジナル曲をサンプルとして説明していますが、ニコカラの作り方としては、元動画が UTAU 曲でもボカロ曲でもその他でも、同じやり方で作成することができます。
※本稿は、以前に公開した記事について、2016 年 8 月から順次導入された「ニコニコ動画新仕様(1.5GB 再エンコード仕様)」に合わせて改訂したものです。
ニコカラの作り方 入門編 目次
元動画の入手
ニコカラは、UTAU オリジナル曲の動画(元動画)に、カラオケ字幕を重ねる、という形で作成しますので、元動画が必要になります。元動画は、ニコニコ動画ダウンロードツールなどで入手できます。例えば、次のようなものです。
- ZenzaWatch+動画ゲッター(手順が複雑だが高画質)
- ニコニコ動画ダウンローダ(手順が簡単だが低画質になる場合がある)
ニコニコ大百科でやり方が説明されていますが、ここでも要点を書いておきます。
ブラウザは Chrome で動作確認しています。
- Chrome に、Tampermonkey、ZenzaWatch、動画ゲッターの 3 つの拡張機能をインストールします。
- ニコニコ動画サイトで入手したい元動画を検索します(元動画の URL を直接開くと ZenzaWatch で再生できないので、必ず検索するようにします)。検索結果の動画タイトルにマウスカーソルを合わせると、「Zen」という文字がポップアップするので、その Zen をクリックします。ZenzaWatch で動画が再生されます。
- ZenzaWatch の右下にある「画」をクリックすると、画質を選択できます。ニコニコ動画旧仕様の動画の場合は画質が選択できませんが、ニコニコ動画新仕様の場合は画質が選択できるので、なるべく高画質のものを選択します。
- 動画を再生しながら(必ず再生して下さい)、Chrome ウィンドウ右上にある動画ゲッターのアイコン(右図のオレンジ矢印)をクリックします。動画ゲッターのサイトが開きます。
- 動画ゲッターのサイトが開き、ダウンロードできる動画が表示されるので、ダウンロードアイコン(右図の赤丸)をクリックすれば、元動画をダウンロードすることができます。動画の候補が複数ある場合は、拡張子が mp4 のものでファイルサイズが大きなものを選ぶと良いでしょう。
★ ニコニコ動画ダウンローダ で入手する ★
参考までに、ニコニコ動画ダウンローダを使うやり方も書いておきますが、簡単な反面、低画質になる場合があるので、あまりお薦めはしません。
- Chrome にニコニコ動画ダウンローダ拡張機能をインストールします。
- ニコニコ動画サイトで元動画を開きます。Chrome ウィンドウ右上にあるニコニコ動画ダウンローダのアイコン(右図のオレンジ矢印)をクリックします。
- ニコニコ動画ダウンローダの画面が開くので、「ダウンロード」をクリックすれば、元動画をダウンロードすることができます。
歌詞ファイル作成
歌詞ファイルの作成には、次のツールを使いますので、ダウンロード・解凍して使える状態にしてください。- RhythmicaLyrics(通称リズミカ) ※Ver 4.7 以降を使用してください
RhythmicaLyrics を起動すると、紺色の画面が表示されますが、メニューの[モード変更→テキスト編集モード]をクリックしてチェックを入れ、テキスト編集モード(白色の画面)にします。
この画面は、メモ帳と同様、自由に文字を入力できますので、ここで歌詞を入力していきます。
ニコカラにしたい曲の歌詞がネット上で公開されていれば、それをコピペするだけなので楽です。
公開されていない場合は、動画中に表示される歌詞を見ながら、手入力していきます。
歌詞の 1 行が長いと、ニコカラの字幕として画面内に入りきらなくなってしまいますので、ある程度の長さで改行しておくと良いです(あとからでも調整できますが)。
入力が終わったら、メニューの[ファイル→名前を付けて保存]で保存します。歌詞ファイルの拡張子は通常 .lrc を使います。
タイムタグ入力
前節で入力した歌詞に、「タイムタグ」を付けていきます。タイムタグというのは、カラオケ字幕をどのタイミングで表示・ワイプ(文字塗り切り替え)させるかを指定するものです。基本的には、リズムゲームのような感覚で、タイミング良くスペースキーを押すことで作業を進めていきます。メニューの[モード変更→テキスト編集モード]をクリックしてチェックを外し、紺色の画面に戻します。入力した歌詞の自動チェックが行われるので少し待ちます。
もしルビが表示されている場合、入門編ではルビは扱わないので、メニューの[ルビ→ルビを表示する]をクリックしてチェックを外し、ルビを非表示にしてください。ルビを扱いたい気持ちはひとまず抑えましょう(ルビは意外と大変です、また、きちんと手順を踏まないと、ルビの操作をしても保存されないことがありますので注意)。
RhythmicaLyrics のウィンドウにダウンロード済みの元動画をドラッグ&ドロップし、再生ボタンを押すと、元動画の音楽が流れます(もし、うまくエクスプローラーからドラッグ開始できない場合は、エクスプローラーで Esc キーを連打すると治ります)。
再生される音楽の歌詞に合わせてスペースキーを押すことで、カラオケ字幕がワイプするタイミングを指定します。
まず、音楽が停止している時の状態について説明します。
例えば、ガーディアンエンジェルの出だしは「光を浴びて」ですが、初期状態では、「光」の左下に緑色のカーソル(矢印)があります。緑カーソルはこれから作業する位置を表しています。
歌詞の下には白いマークが並んでおり、これが歌詞の文字数を表しています。「光」の下には 3 つマークがありますが、「ひかり」3 文字ということです。「を」の下は 1 つ、「浴」の下は「あ」なので 1 つです。
もし、自動判定された文字数に誤りがある場合は、カーソルが緑色の時(音楽が停止している時)に、DEL キーでマーク削除、スペースキーでマーク追加ができます。
音楽を再生すると、緑のカーソルが赤に変化し、スペースを押すごとにカーソルの位置が進んでいきます。「ひかり~」と聞こえたら、それに合わせてスペースキーを押しましょう。
ウィンドウ右上の右から 2 番目のスライダーで、再生速度を遅くできます。個人的には 70% くらい遅くした方がやりやすいです。
再生位置は、キーボード Z キーで巻き戻し、X キーで早送りができます。巻き戻すと、既にスペースキーでタイミングを指定し終わったところがきちんとワイプ表示されるので、出来映えを確認できます。
赤いカーソルは、カーソルキーの左右で移動できます。出来映えに満足いかない場合は、カーソルを戻して何回でもやり直しできます。
慣れるまではなかなか大変ですが、とりあえずは、あまりこだわらず、最後までやることに重点を置きましょう。とりあえず作ってみて先に進まないと、雰囲気がわかりませんので。
RhythmicaLyrics の詳しい使い方については、こちらの動画が分かりやすいです。
(ワンポイント)
行末では、スペースキーを押した瞬間がワイプ開始、スペースキーを離した瞬間がワイプ終了となりますので、音の長さに合わせて、スペースを押している時間を調整すると、良いニコカラになります。
とはいえ、これはかなり慣れが必要なので、最初のうちは気にしないで先に進みましょう。
ワイプタイミングをすべて指定し終えたら、メニューの[ファイル→上書き保存]で保存し、作業を終えます。
ニコカラの作成
ニコカラの作成には、次のツールを使いますので、ダウンロード・解凍して使える状態にしてください。- ニコカラメーカー ※Ver 6.60 以降を使用してください
左から 2 番目の「素材」タブを開きます。
「元となる曲の動画」のテキストボックスに、ダウンロードした元動画(.mp4)をドラッグ&ドロップします(もし、うまくエクスプローラーからドラッグ開始できない場合は、エクスプローラーで Esc キーを連打すると治ります)。
「歌詞ファイル」のテキストボックスに、前節で作成した歌詞ファイル(.lrc)をドラッグ&ドロップします。
通常は、素材タブの設定を終えたら、隣の「字幕フォント設定」タブに行くのですが、今回はとにかく一回作ってみるということで、設定をすっ飛ばして雰囲気を見てみましょう。
「プレビュー」タブを開きます。
再生ボタンをクリックすると、動画が再生されます。RhythmicaLyrics で指定した歌詞のタイミング通りに、カラオケ字幕がワイプし、カラオケっぽくなっているかと思います。
左側のバーで音量を調整できます。右側の「時刻描画」にチェックを入れると、再生位置(時刻)が表示されます。
元動画がフル HD などの重い動画の場合、プレビューがコマ落ちして字幕が表示されないかもしれません。そんな時は、再生ボタンではなく、コマ送りボタンを使うことで、字幕の雰囲気を見ることができます。
細かく見ていくと気になるところもあるかと思いますが、いったん先に進みます。最後の「動画出力」タブを開いて下さい。
「参照」ボタンをクリックして、ニコカラ動画の出力先ファイル名を指定して下さい。
また、ニコカラメーカーの設定を、「プロジェクトの保存」ボタンで保存しておいてください。
その後、「動画出力」ボタンをクリックすると、ニコカラ動画が出力されます。しばらく時間がかかるので、気長に待って下さい。
プログレスバーが 100% になったらニコカラの完成です。
メディアプレーヤーなどで、できあがったニコカラを再生してみて下さい。
いかがでしたか? ニコカラ作りの基本がわかりましたでしょうか。
とはいえ、今回作成したニコカラは、いくつか気になる点があるかもしれません。次回調整編では、その辺りを直していきましょう。
- 次回:調整編
入門編、調整編、投稿編、ルビ編、すべて読ませていただきました。
初心者にも分かりやすくとても丁寧で画像つきの解説で物凄く助かりました。
お世辞にも機械に強いとは言えない私でも未熟とは言えニコカラを制作することができました。
ありがとうございました。