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ボカロと比べて、UTAU オリジナル曲のニコカラ(カラオケ字幕付き動画)が投稿されるのって少なくね?
というわけでスタートしたこの連載。投稿編(前回)までで、一通りのニコカラ作成ができました。今回は、ワンランク上のニコカラ、「ルビ付き」のニコカラを作成します。
ニコカラの作り方 ルビ編 目次
ルビを振るやり方は 2 種類
ルビ付きのニコカラを作成するには、2 通りのやり方があります。- ニコカラメーカーの「ルビ」タブでルビを編集する
- RhythmicaLyrics でルビを編集する
一方、RhythmicaLyrics でルビを編集するやり方は、多少手間はかかりますが、ルビのワイプタイミングを制御できるこだわりのニコカラとなります。
以下では、RhythmicaLyrics でのルビ編集について説明します。
RhythmicaLyrics でルビを振る場合の相違点
ニコカラ作りの流れは、入門編でなぞったように、「元動画の入手→歌詞ファイルの作成→タイムタグ入力→ニコカラの作成」となります。RhythmicaLyrics でルビを振る場合、「タイムタグ入力」の前に、「ルビを振る」という作業が発生します。RhythmicaLyrics でルビを振る場合のやり方を詳しく説明していきます。
RhythmicaLyrics でルビを振る
入門編の「元動画の入手→歌詞ファイルの作成」まで終えた状態で、ルビを振っていきます。「歌詞ファイルの作成」では、RhythmicaLyrics のテキスト編集モード(白色の画面)で作業をしていましたが、メニューの[モード変更→テキスト編集モード]をクリックしてチェックを外し、紺色の画面に戻します。入力した歌詞の自動チェックが行われるので少し待ちます。
メニューの[ルビ→ルビを表示する]にチェックを入れます。すべての文字の上に、ルビが表示されます。
ひらがなの上にルビを表示しても仕方ないので、削除します。メニューの[ルビ→文字種を指定してルビを削除]をクリックします。オプションダイアログが表示されるので、「ひらがな」「カタカナ」にチェックを入れ(デフォルトでそうなっているはず)、実行ボタンをクリックすると、ひらがな・カタカナの上のルビが削除されます。
基本的にはこれでルビが設定されていますが、自動設定で間違っている箇所は、手動で設定していきます。
カーソルキーで緑色のカーソルを動かして、ルビが間違っている箇所を指定し、メニューの[ルビ→ルビを編集](または F2 キー)でルビを編集できます。
テキストボックスが表示されるので、キーボードで正しいルビを入力します。エンターキーでルビ編集終了です。
デフォルトで設定されていたルビと文字数が変わった場合は、スペースキーや DEL キーで、文字数を表す白いマークの数も調整しておきましょう。
(ワンポイント)
普通の漢字は、「暗(くら)闇(やみ)」のように、漢字の文字数が複数でも、どの漢字にどのルビが対応するかが分かれています。
しかし中には、「今日(きょう)」のように、漢字 2 文字セットで「きょう」というルビになるものも存在します。
デフォルトでは「今(きょ)日(う)」のように分かれてしまっていますが、こだわるのであれば、セットでルビを振ることも可能です。
「今」のルビとして「きょう+」というように、すべてのルビを振った上で、末尾に全角のプラス記号を付けます(半角ではダメです)。そして、「日」のルビは空欄にします。
ルビの末尾が全角プラスだと、隣の漢字と結合してルビを表示してくれますので、右の図の右側のように、正しく「きょう」というルビが振られます。
(ワンポイント)
アルファベットにルビを振る場合も、全角プラス記号が便利です。
例えば、「Neighbor」に「ネイバー」とルビを振りたい場合は、「N」のルビを「ネイバー+」にして、「e」から「o」までのすべてのルビを「+」とすることで、Neighbor 全体に対して「ネイバー」のルビを振ることができます。末尾の「r」はルビ不要です。
(ワンポイント)
アルファベットの途中のワイプ速度を調整したい場合は、文字の下の白いマークを調整した上で、全角プラスを活用してルビを振ります。
例えば、「Neighbor」において「Ne=ネ」「igh=イ」「bor=バー」それぞれでワイプを合わせたい場合は、N、i、b のところに白いマークを入れ、さらに、単語の末尾である r の後ろにも白いマークを入れます。
ルビは、「N:ネ+」「e:+」「i:イ+」「g:+」「h:+」「b:バー+」「o:+」のように入れます。
(ワンポイント)ルビを設定し終えたら、保存します。
頻出英単語は予め RhythmicaLyrics に単語登録しておくと、自動でルビを振ってくれるので便利です。
[ツール→設定]メニューをクリックし、[自動チェック→読み確定文字]をクリックします。
「読み確定文字機能を使う」にチェックを入れます。
確定文字に「Neighbor」、読みに「ネイバー+,+,+,+,+,+,+,」を入力し、追加ボタンをクリックします。読みに入力する+は全角、カンマは半角です。カンマの数は英語の文字数マイナス 1 個(末尾のカンマを忘れずに)です。Neighbor の場合、英単語が 8 文字なので、カンマは末尾を含めて 7 個です。カンマの数を間違えていると、追加ボタンをクリックしても追加されません。
アルファベットのワイプ速度を調整したい場合(チェック位置を指定したい場合)は、「英単語のチェック数:読みに関わらず先頭に 1 つのみ」のチェックを外したうえで、確定文字に「Neighbor」、読みに「ネ/1+,+,イ/1+,+,+,バー/1+,+,」のように、半角スラッシュと 1 を入れます。
保存する際は、メニューの[ファイル→編集中データの保存]で、.rlf ファイルとして保存して下さい。さもないと、ルビ情報が完全に保存されず、次回 RhythmicaLyrics を使う時にルビ情報が失われてしまいます。
次回 RhythmicaLyrics を使う時は、.rlf ファイルをドラッグ&ドロップして開いて下さい。
タイムタグの作成
タイムタグの作成は、入門編と同じやり方で大丈夫です。ただし、保存だけが異なります。
ワイプタイミングをすべて指定し終えたら、メニューの[ファイル→出力→ルビ拡張規格でタイムタグ出力→実行]をクリックし、タイムタグ付き歌詞ファイル(.lrc)を出力します。
RhythmicaLyrics の作業内容を保存する時は「編集中データの保存」、歌詞ファイルとして保存する時は「ルビ拡張規格でタイムタグ出力」というように、2 種類の保存を使い分ける必要があるので、注意して下さい。
ニコカラの作成
ニコカラの作成も、入門編と同じやり方で大丈夫です。ニコカラメーカーで、ルビ拡張規格でタイムタグ出力したタイムタグ付き歌詞ファイル(.lrc)を読み込むと、自動的にルビが振られます。
以上で、ルビ付きのニコカラが作成できました。完成したニコカラはこちらで公開しています。
全 4 回の連載にお付き合いいただき、お疲れ様でした。たくさんのニコカラを作って、推し音源や UTAU 界隈を盛り上げていって下さい。