前回、クリア条件を設定したので、今回はシナリオを作ります。
シナリオ解説
一番上、0 番は「シナリオ解説」となっており、シナリオ選択画面に表示されるシナリオ解説を設定します。
シナリオ解説をクリックして編集ボタンをクリックし、シナリオ解説を入力します。構想で整理した見どころや目的を盛り込むと良いかと思います。
会話シーンの概要
決められた日付(条件は色々な方法で指定できます)になるとキャラクター同士の会話がはじまり、場合によってはプレイヤーに選択肢を出したり、何らかのアクション(資金が減るなど)を起こしたりします。
公式シナリオでは、
- ゲーム開始初日に街を見回ることを促す
- その後数日かけてシナリオの背景や目標などを示す
- 併せて攻略のヒントも示す
- たまにキャラクター同士が雑談などをする
- クリア条件を 1 つ満たす(もしくは目標の半分に達する)ごとに盛り上げる
ご参考までに、渓谷の琵城では、
- ゲーム開始初日:街を見回ることを促す
- 2 日目:シナリオの背景と目標を提示
- 3 日目:攻略の基本方針を提示
- その後 1 年間は月に 1 回程度のペースで
- 琵城小噺集
- 傾国の美女イベント進行
- 攻略のヒント
- 雑談
- 目標半分&全クリ時にコメント
という流れにしています。
編集
文章の中には HTML タグのようなものを埋め込むことができます。例えば、
あいうえお<color=green>かきくけこ</color>
とすると、「かきくけこ」だけ文字が緑色になります。
目標指標(人口 5 万人など)は文字を黄色(color=yellow)、地名は文字を水色(color=#00FFFF)にしておきましょう。
右の図は公式シナリオのセリフですが、そのままでは「鉄道総延長」あたりまでが 1 行目で、「20km」あたりが 2 行目になり、目標指標が行分割されて読みづらくなってしまいます。
1 行目にまだ余裕があるにもかかわらず、「鉄道総延長」の前に改行を入れることで、「鉄道総延長 20km」がまとまって表示され、読みやすくなっています。
キャラクター同士が互いに相手をどう呼ぶかについては、公式解説動画の末尾に「キャラクター呼称表」としてまとめられています。これは大変ありがたいですね。
「コマンド」で様々なアクションを起こせます。コマンドについては、後ほど説明します。
「コピー」「カット」「貼り付け」で台詞のコピーや順番入れ替えができます。ドラッグ&ドロップでは順番を入れ替えられません。
「セリフ追加」で、現在のセリフの「前」にセリフが追加されます。個人的には、最初にセリフ追加でたくさんセリフ枠を追加しておいて、余ったらカットで削除するのがやりやすいです。
コマンド
コマンドで様々なアクションを起こすことができ、「マップ移動」「資本金増加」などたくさんのコマンドが用意されています。
用意されているコマンドの一覧は公式ヘルプにあります。
ほとんどのシーンで、種類「がんばるぞっ!」の BGM を使うことになるでしょう。
条件
条件ボタンで、どのような時に会話シーンを再生するかを指定できます。
画面下から条件を選びます。条件の一覧は公式ヘルプにあります。
その名の通り、指定した日付(の午前 9 時)になると会話シーンが再生されます。
個人的には、毎月「1 日、15 日、末日」を指定するのはなるべく避ける方が良いかなと思っています。1 日や末日はレポート確認などでプレイヤーが忙しく、15 日は助成金支給日なのでカレンダー上でアイコンが被ってしまいます。
強制発動を「オン」にすると、指定日付(の午前 9 時)に必ず再生されます。「オフ」にすると、指定日付(の午前 9 時)になると画面右上にベルマークが表示され、プレイヤーがベルマークをクリックしたタイミングで再生されます。
プレイヤー側からすると、街づくりしている途中で強制的に会話が始まるのはうざいので、余程の事情が無い限り(そのタイミングで発動しないとシナリオに支障が出る場合など)、強制発動はオフにしておくほうが良いでしょう。
渓谷の琵城では、初日の導入メッセージ以外はすべて強制発動オフにしてあります。
例えば、クリア条件が「年間観光客数 10 万人」だった場合、5 万人になった時点で再生されますので、「残り半分も頑張りましょう」的な会話を入れておくと良いでしょう。
こうすると、単独では再生されない会話シーンになります。
他の会話シーンからコマンド「シーンジャンプ」などでジャンプしてくる場合にこれを使います。
シーン名変更
プレイヤーには表示されないため、シーン名がネタバレになることはありません。自分が分かりやすい名前を付けておきましょう。
再生
会話シーンを作り終えたら、「再生」ボタンをクリックし、きちんと再生できることを確認します。
特に、選択肢コマンドを使った場合は、それぞれの選択肢が正しく動作するかの確認が必要です。
シーンの順番
残念ながら、シーンの順番は入れ替えられません。
シーンを作り込んでいるうちに、順番がばらばらになって分かりづらくなってもどうしようもありません。ドラッグ&ドロップなどで入れ替えられると良かったのですが……。
ストーリー分岐
プレイヤーの選択によってストーリーを分岐させたい場合は、コマンドを利用します。
その場合、必ず使うコマンドは「選択肢」です。
複数の会話シーンでの選択肢を組み合わせて分岐させる場合は「シナリオパラメータ計算」「シナリオパラメータ分岐」コマンドも使います。
場合によっては「シーンジャンプ」も併せて使います。
ストーリー分岐例:ラーメン好き
2 回の質問の結果、ラーメン好きであれば建設資金をもらえることにします。
シナリオパラメータを「ラーメン好き度」とし、初期値を 50 点にします。
【会話シーン 1】
質問 1 つめを行う会話シーンです。
ラーメン好きか、という文章の次に、選択肢コマンドで「はい」「いいえ」を用意します。「はい」の場合はシーン 2 にジャンプするようにします。
「いいえ」が選ばれた場合はシーン 1 の会話が続くので、シナリオパラメータ計算コマンドでシナリオパラメータ(ラーメン好き度)をマイナス 10 します。
【会話シーン 2】
BGM の設定は不要です(シーン 1 で設定した BGM が流れ続けるため)。
シナリオパラメータ計算コマンドでシナリオパラメータ(ラーメン好き度)をプラス 10 します。
【会話シーン 3】
質問 2 つめを行う会話シーンです。
どちらに行くか、という文章の次に、選択肢コマンドで「ラーメン屋」「牛丼屋」を用意します。「ラーメン屋」の場合はシーン 4 にジャンプするようにします。
「牛丼屋」が選ばれた場合はシーン 3 の会話が続くので、シナリオパラメータ計算コマンドでシナリオパラメータ(ラーメン好き度)をマイナス 10 します。
【会話シーン 4】
会話シーン 3 で「ラーメン屋」が選ばれた場合にジャンプしてきます。BGM の設定は不要です(シーン 3 で設定した BGM が流れ続けるため)。
シナリオパラメータ計算コマンドでシナリオパラメータ(ラーメン好き度)をプラス 10 します。
【会話シーン 5】
前の 2 つの質問の結果、ラーメン好きかどうかによって分岐します。
シナリオパラメータ分岐コマンドで、シナリオパラメータ(ラーメン好き度)が 50 より大きい場合はシーン 6 にジャンプします。
50 以下の場合はシーン 5 が続くので、ラーメンはお好きではないようですね、という会話にしておきます。
【会話シーン 6】
BGM の設定は不要です(シーン 5 で設定した BGM が流れ続けるため)。
資金をプレゼントします、という文章の次に、資本金増加コマンドでプラス 10 億円します。実質的に資金が 10 億円増えます。
以上のように、選択肢の度にシナリオパラメータを増減させ、最後にシナリオパラメータ分岐でストーリーを分岐させることができます。
分岐させる前の質問の回数をもっと増やすことは可能ですが、シナリオパラメータの下限値が 0、上限値が 100 であることには注意が必要です。
また、選択肢 1 つごとに 2 つの会話シーンを使います(今回のようなシンプルなケースだとシーン 2 と 4 を統合することも可能ですが)。全部で会話シーンは 40 しか設定できないことにも注意が必要です。
【ストーリー分岐コンストラクションモードデータ】
読み込み方法や注意事項などはこちらの記事をお読み下さい。
- セーブデータ(自己責任でどうぞ)
ストーリー分岐例:フラグ方式
先の例ではシナリオパラメータの大小でストーリーを分岐させました。
大小ではなく、シナリオパラメータをフラグとして使うことで、選択肢の組み合わせによってストーリーを分岐させることもできます。
質問 1 が行き先についての質問で、「北海道 or 九州」とする場合、九州と答えたらフラグをプラス 1 します。
質問 2 が交通手段についての質問で、「新幹線 or 飛行機」とする場合、飛行機と答えたらフラグをプラス 2 します。
すると、最終的にフラグの値が
- 0……北海道へ新幹線で行く
- 1……九州へ新幹線で行く
- 2……北海道へ飛行機で行く
- 3……九州へ飛行機で行く
というように、すべてのパターンを判定できます。
質問が多い場合は、プラスするフラグの値を 1、2、4、8……のように倍々にしていきます。
ただし、質問が多くなってくると、すべてのパターンを判定するには会話シーンが足りなくなってしまいます。実用上は、特定のパターンだけ判定して、残りはその他的な扱いをすることになるでしょう。
渓谷の琵城はフラグ方式で、誰を傾国の美女と思ったかを記録しています。
- 1=観光課長
- 2=証券会社員
- 4=秘書
- 8=都市計画担当
シナリオパラメータ分岐の動作確認
ラーメン屋の例で言えば、会話シーン 1 を再生してラーメン好きを選んだ場合、「ラーメン好き度が上がりました」と表示されるにもかかわらず、実際には上がっておらず、50 点のままです。
そのため、その後会話シーン 5 を再生しても、資金プレゼントには進みません。
ゲーム設定中にシナリオパラメータ分岐の動作確認はできないことになります。ゲーム設定中もシナリオパラメータを実際に増減させてくれると良かったのですが……。
この辺りの対策については、次のテストプレイで説明します。
機能制限
使わせたくない機能をオフにします。
シナリオコマンドの「機能制限」コマンドでオン・オフすることも可能です。
次:テストプレイ編
はじまるA列車 自作シナリオ作成方法 まとめ(全 9 回)
更新履歴
- 2022/05/04 初版。
- 2022/05/05 機能制限を記載。
- 2022/05/06 ストーリー分岐セーブデータ公開。