かつてのマルチメディア OS である「BeOS」のオープンソースな後継、「Haiku」(旧称 OpenBeOS)の R1/beta2 がリリースされたので、仮想マシン(VMware)で起動する方法をまとめておく。

※画像はクリックすると拡大します

ダウンロード

Haiku R1/beta2 は Haiku 公式ダウンロードサイトからダウンロードできる。

32 bit または 64 bit の zip リンクをクリックしてダウンロードする。今回は 64 bit 版にした。ダウンロードしたら、解凍して haiku-r1beta2-hrev54154_111-x86_64-anyboot.iso を取り出しておく。

VMware の設定

InstallISOVMware を起動し、「新規仮想マシンの作成」で Haiku 用の仮想マシンを作成する。

インストール元として、解凍した iso イメージファイルを指定する。

Other64ゲスト OS に残念ながら Haiku は無いので、「他の 64 ビット」にしておく。

仮想マシンの名前は「HaikuR1Beta2」などとする。

Disk16GBR1/beta2 のリリースノートによれば、64 ビット版の推奨ストレージは 16 GB のため、ディスク容量の指定では 16 GB にしておく。

Customize準備完了画面で、ハードウェアをカスタマイズする。

メモリは推奨値の 2 GB(2048 MB)以上が望ましい。……が、Haiku 自体は 400 MB くらいしか消費しないので、512 MB とかでも動く気がする。

プロセッサはせっかくなら 2 コア以上割り当てると良い。

デフォルトでは USB が追加されていないので、追加ボタンをクリックして、USB コントローラを追加する。beta2 は USB 3.0 をサポートしているので、USB の互換性は 3.0 を指定して構わない。USB を追加しないと、USB マウス等が使えないので注意。

起動(ライブモード)

R1Beta2Boot仮想マシンを再生すると、ISO イメージから Haiku が起動する。DVD ブートないしは USB ブートした状態。

WelcomeWelcome to Haiku! のウィンドウが表示される。

左側の言語リストを一番下までスクロールさせると日本語が表示されるので選択する。自動的に、キーマップも日本語になる。

インストーラーを実行してインストールするのももちろん OK だが、とりあえず使ってみようということで、「デスクトップを起動」を選択。

HaikuMenu右上の紅葉マーク Haiku メニューで、Windows のスタートメニューに相当する。

Haiku メニューをクリックし、[Applications→WebPositive]で Web ブラウザが起動する。

Desktopネットワークカードは自動認識されるので、ブラウザを起動すれば問題なく使える。

ブラウザを終了するには、ウィンドウ左上の四角をクリックする。

ネットワークがつながらない場合は、紅葉マークのすぐ下にあるタスクトレイのアイコンからネットワークの設定を行う。IP の問題であれば設定でどうにかなるが、ハードウェアが認識されていない場合は諦めるしかないだろう。

AboutHaiku[Haiku メニュー→Haiku について]で OS 情報が表示される。

右側にコントリビューターの一覧が表示されるが、下から 3 分の 2 あたりの日本語翻訳のところに SHINTA の表記がある。昔、日本語の翻訳に協力したので。

インストール

きちんと Haiku を使うために、仮想 HDD に Haiku をインストールする。Installer

デスクトップ上部に並んでいるアイコンからインストーラーをダブルクリックすると、Haiku インストーラーが起動する。注意事項を読んで、続けるボタンをクリック。

InstallToインストール先のディスクを選ぶ画面になる。

仮想マシンには現在、起動用の ISO ファイルと、空の 16 GB HDD が接続されている。Haiku は「Be ファイルシステム」(BFS)でフォーマットされた HDD にしかインストールできないので、まずは BFS を準備するために、パーティションを設定ボタンをクリックする。

DriveSetupDriveSetup の画面になる。

下半分のリストから HDD(VMware Virtual IDE Hard Drive)を選択してから、[パーティション→フォーマット→Be File System]メニューをクリックする。

FormatNotice注意書きが表示されるが、そのまま続ける(仮想マシンではなく実機にインストールする場合は、きちんとパーティションを作成する方が良いと思う)。

FormatParamボリューム名を好きな名前に設定し、フォーマットボタンをクリックすると、BFS でのフォーマットが行われる。

フォーマット後、DriveSetup を終了すると、インストーラーに戻る。

InstallTo2インストール先として、16 GB の HDD が選択できるようになっているので選択する。

Installing開始ボタンをクリックすると、ISO イメージから仮想 HDD へのインストールが行われる。

うちの環境では、10 秒程度でインストールが完了した。

インストーラーを終了し、[Haiku メニュー→シャットダウン→再起動]で仮想マシンが再起動し、インストールした仮想 HDD から Haiku が起動する。

起動(インストール済みディスクから)

InstalledBootライブモードと見分けが付きづらいが、デスクトップにインストーラーのアイコンが無いので、仮想 HDD からの起動だと判別できる。

また、Haiku ディスクのアイコンを右クリックして、メニューから詳細情報を選ぶとディスクの情報が表示されるが、容量が 16 GB となっていることからも、仮想 HDD からの起動だと判別できる。

HaikuDepotMozc追加のアプリケーションをインストールするには、パッケージ管理アプリ HaikuDepot を使う。

[Haiku メニュー→Applications→HaikuDepot]で HaikuDepot が起動する。

HaikuDepotMozcInstallingIME(日本語入力)をインストールするには、すべてのパッケージタブを選択してから、検索窓に mozc と入れると、IME の mozc が表示されるので、インストールボタンをクリックしてインストールする。

MozcInput[Haiku メニュー→Applications→StyledEdit]でテキストエディタが起動する。

半角全角キーで日本語入力が ON となるので、テキストエディタに日本語を入力することができる。

NetworkSMBWindows ネットワーク(SMB)を使いたい場合は、HaikuDepot から FuseSMB をインストールする。

FuseSMB インストール後、タスクトレイのネットワークアイコンをクリックすると、サービス一覧に SMB client が表示されるのでクリックし、右側の Enable ボタンをクリックすると SMB が有効になる。

SMBNetworkデスクトップに SMB Network のアイコンが表示されるので、右クリックすると、共有されているフォルダーを見ることができるようになる。

……と思ったのだが、うちの NAS だとフォルダーが表示されなかった。残念。

PlayGround環境を整えたら、Haiku メニューからいろいろなアプリケーションを起動して使ってみることができる。

Enjoy Haiku!