UTAU 音源による自動トークツール「唄詠」。

棒読みちゃんなどのテキストスピーチソフトに漢字仮名交じり文を入力し、再生ボタンを押すだけで、とりあえずしゃべってくれます。

しかし、文章の「アクセント」を指定することで、より自然なしゃべりになる場合があります。今回はワンポイント Tips として、アクセント指定の方法をご紹介します。

ノーマル

今回の例文は、「いつも行くうどん屋さんは、ランチタイムはいつも混んでいるけど、今日はすぐに座れた。」とします。

棒読みちゃんによる自動アクセントまずは、通常のしゃべりから。

棒読みちゃんで唄詠音源を選択して例文を入力し、再生ボタンを押すと、UTAU 音源がしゃべってくれます。

しかし、少しアクセントが変です。例えば、文頭の「いつも」は、人間がしゃべる時は「い」にアクセントがあるものですが、棒読みちゃん経由の唄詠では、「い」にアクセントがありません。

実際の発音を録音しておきましたので、聞いてみて下さい。録音の前半と後半でアクセントが違いますが、通常のしゃべりは前半部分です。後半については後ほど説明します。
  • 録音したサンプル(TmBox:【唄詠】Tips:アクセントの指定(槌音ずも)) ※前半を試聴

少しアクセントを修正

簡単なアクセント修正であれば、棒読みちゃんでも行えます。

文章を入力する欄に、「い'つも行くうどん屋さんは、ランチタイムはいつも混んでいるけど、今日はすぐに座れた。」と入力してみて下さい。先ほどとの違いはただ 1 箇所、先頭の「い」の次に、「'」(半角アポストロフィー)を入れたことです。

詳しくは後ほど説明しますが、半角アポストロフィーを入れると、直前の文字にアクセントが付きます。このため、「いつも」の「い」にアクセントが来て、人間がしゃべるときのようなアクセントになりました。

棒読みちゃんのウィンドウの一番下にある「(6) 音声記号列変換(出力)」という欄を見てみると、ノーマル時は「いつも/いく/うどんや+さん+わ、ランチタイム/わ/いつも/こ'んで/いる+け'ど、きょ'う+わ/すぐ+に/すわ+れた。」となっているのですが、アクセントを指定すると、「い'つも/いく/うどんや+さん+わ、ランチタイム/わ/いつも/こ'んで/いる+け'ど、きょ'う+わ/すぐ+に/すわ+れた。」となっており、指定したアクセントがきちんと出力されていることがわかります。

すべてのアクセントを指定

TextToWav設定全部のアクセントを指定する場合は、棒読みちゃんではなく TextToWav を使います。初めて使う場合は、リンク先にある「TextToWav.zip」をダウンロード・解凍して下さい。

初めて使う場合は、設定を確認しましょう。

「16kHz 16 Bit Mono」となっている箇所を、「44kHz 16 Bit Mono」に変更します。そのままでも動きますが、音質が悪くなってしまいます。

また、「辞書を使う」のチェックが外れている(OFF になっている)ことを確認します。アクセントを手動で指定する場合は、OFF の方が都合が良いです。

ボイス選択コンボボックスで、好きな唄詠音源を選択します。

文章入力欄に、「い'つも/いく/うどんやさんわ、ランチタ'イムわ/い'つも/こ'んで/いる'けど、きょ'うわ/す'ぐに/すわれた。」と入力して、再生ボタンを押して下さい。人間がしゃべる時のアクセントに近いアクセントで読み上げが行われたと思います。

実際の発音を録音したものは、先ほどと同じ TmBox の、後半部分になります(前半がさきほどのノーマルアクセント版です)。
  • 録音したサンプル(TmBox:【唄詠】Tips:アクセントの指定(槌音ずも)) ※後半を試聴

アクセントの指定ルール

アクセントは、半角スラッシュ(/)を区切りとする部分(「アクセント句」と呼びます)ごとに考えます。先ほどの文章の初めの方は「い'つも/いく/うどんやさんわ、」となっていますが、半角スラッシュで区切られる「い'つも」「いく」「うどんやさんわ、」の 3 つのアクセント句に分かれます。

それぞれのアクセント句の中では、特に指定をしない場合、基本的には右肩上がりに近いアクセントになります。先頭にはアクセントがなくて、後ろの文字が盛り上がるイメージです。例えば「いく」では、「い」ではなく「く」のほうが盛り上がります。「うどんやさんわ、」では、「う」は低い発音で、「ど」以降が盛り上がります。

先頭にアクセントを持ってきた場合は、半角アポストロフィー(')を付けます。先ほど述べたように、半角アポストロフィーを入れると、直前の文字にアクセントが付きます。「い'つも」というように「い」の直後に半角アポストロフィーを入れることにより、半角アポストロフィー直前の「い」にアクセントが付きます。

アクセント句の途中にアクセントを置きたい場合は、途中に半角アポストロフィーを入れれば大丈夫です。先の文章の中程にある「いる'けど、」では、アクセント句の途中である「る」の後ろに半角アポストロフィーがあります。これにより、「い」が低く発音され、「る」で盛り上がった後、「けど」は再び低く発音されるようになり、途中が盛り上がるアクセントとなります。

以上のルールを頭に入れて例文を見直してみると、例文のアクセントの付き方が理解できると思います。

アクセントについては、AquesTalk音声記号列仕様書(PDF)に詳しく書かれていますので、参考にどうぞ。

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