次世代動画コーデック H.265(HEVC) が実際に使えるようになった。

H.265 は、現行の動画コーデックである H.264 (AVC) と比較して、ビットレートを 30~40% 落としても同程度の画質を保てるということなので、実際に比較してみた。

比較画像が下の画像。一番左がオリジナル(無圧縮)、真ん中(4 分割の左側)が H.265、右が H.264。4 分割の上下はビットレートの違い。クリックで拡大するので、眺めながら以下の文章をどうぞ。

H265_H264_比較

まず、動画の元ネタだが、ニコニコ動画の【Minecraft】水カーテンの中を走るトロッコ【三段ジャンプ】



無圧縮 AVI の状態から、H.265 については DivX Converter Ver 10.0.0 にてエンコード。H.264 については、夏蓮根 Ver 1.91 にてエンコード。

元々 640×360 の動画なのだが、なぜか H.265 でエンコードすると、映像サイズを指定しているにもかかわらず 700×394 になってしまった。このため、比較画像上では、リサイズして 640×360 にしている。

結果の画像を見て最初に気づくのは、H.265 がややくすんだ色あいになっているということ。カラーフィルタが微妙なのかもしれない。しかし今回は、主に圧縮の上手さを見たいので、色合いは横に置いておく。

4 分割の上段、1000kbps について、H.265 と H.264 を比べてみる。いずれもオリジナルと比べるとかなり画質が落ちてはいる(特に草のテクスチャー)ものの……。

茶色の土ブロックが、緑色の草の部分に落としている影に注目してみると、H.264 は緑と黒がかなり汚く混ざっているのに対し、H.265 は比較的忠実にオリジナルを再現している。

しかし一方で、右の方に生えているすすき(?)のディテール感は H.264 のほうがあるように感じる。

全体的に、H.265 はなめらかで、H.264 はくっきりな感じ。方向性が違うこともあり、1000kbps 同士で比較した場合、明確に H.265 の方が綺麗、とは言いづらいというのが正直な感想。また、1000kbps の H.264 と、ビットレートを 35% 落とした 650kbps の H.265 が同程度の画質かというと、これも今ひとつよく分からない。

ただ、1000kbps→650kbps に落とした場合、H.264 はテクスチャーが壊滅的でのっぺりするのに対し、H.265 はまだ耐えているといった印象はある。

なのでやはり、ポテンシャルとしては H.265 はかなりの力を秘めていると思われる。ただ、まだ登場したばかりで、ノウハウが溜まっていないのかもしれない。今後のバージョンアップに期待したい。