Alpha 3 のリリースから約 1 年 4 ヶ月、最新の Haiku R1/Alpha 4 が登場。ダウンロードはこちらから。

R1/Alpha 4 の Alpha 3 からの更新点


アナウンスリリースノートによれば、
  • バグフィックス
    • 1000 以上のバグを修正。
    • Coverity(ソースコード解析ツール)により発見された 100 個の分かりづらいバグも修正。
  • デバッグ
    • その名も Debugger という、新しいネイティブデバッガー。
    • KDL デバッグツールを追加し、QR コードによるデバッグ情報出力が可能に。
  • ファイルシステム
    • BFS がさらに堅固になり、問題を検知・収集するツールを追加。
    • 63TB 以上の大きなディスク・パーティションのサポート。
    • NTFS のサポートを改善。
    • Blu-ray Disc の初期サポート(UDF 2.50)。
  • ハードウェアサポート
    • ビデオカード……Intel Extreme、ほとんどの Radeon HD チップセットをサポート。
    • ネットワークドライバー
    • OHCI USB ドライバー(USB 2.0)
    • PS/2
    • CPU 認識の改善(Sandy Bridge、その他の Intel/AMD CPU)。
  • ローカライズ
    • 新しいキーマップ変更アプリケーションによる複数キーマップサポート。
    • 翻訳の改善。
  • マルチメディア
    • 新しい 10 バンドイコライザーのメディアアドオン。
  • ネットワーク
    • pcnet ドライバーの追加(VirtualBox 上での Haiku の動作が改善)。
    • WebKit を更新し、ネイティブブラウザー(WebPositive)の描画が改善。
    • 初期の IPv6 モジュールを追加。
  • Open GL
    • Mesa のアップデート(gcc2 版が 7.8.2、gcc4 版が 8.1.0-devel)。
    • GLife スクリーンセーバー。
  • システム
    • 仮想メモリの設定とスワップファイル生成ロジックを改善。
    • 潜在的なメモリリークを数多く修正。
    • POSIX シグナルサポート(リアルタイム)を拡張。
  • 無線 LAN
    • WPA/WPA2 サポート(ユーザーガイドの Workshop: Wireless networking を参照)。
    • 無線 LAN カードドライバーの改善。
  • その他
    • StackAndTile(複数ウィンドウの操作)が改善。
    • セカンダリ(実験レベル)のコンパイラーを GCC 4.6.3 に更新。

実装されていないもの


  • パッケージ管理ツールがまだ開発中のため、installoptionalpackage スクリプトでの管理となる。

既知のバグ


  • LiveCD と初回起動……バックグラウンドタスクの影響で(特に LiveCD の)パフォーマンスが低下する。また、シングルコア CPU のマシンにおいては Deskbar がデッドロックする。
  • フォント描画における特許問題。
  • いくつかのハードウェアで ACPI が正常に動作しない。
  • 速いディスクから遅いディスク(USB メモリなど)に大量のデータをコピーするとスワップが発生。
  • ブートローダーが特定のハードウェアでハングアップする。
  • ローカライズが完全ではない。
  • いくつかの無線 LAN カードにおいては、ユーザーが手動でカードを認識する必要がある。
  • いくつかの Marvell Yukon カードでネットワークのパフォーマンスが低下する。
  • IMAP 非サポート。
  • CD のサイズ制限により、いくつかの開発ツールがリリースから除外されている(installoptionalpackage によりインストールは可能)。

R1/Alpha 4 の動作必須要件


  • x86 ベースのシステム
  • 128MB 以上のメモリ(Haiku をセルフビルドするなら 1GB 以上)
  • Pentium II 400MHz 以上の CPU
  • 700MB 以上のディスク

その他


R1/Alpha 4 関連の有用なリンクを村井さんがまとめてくれている。